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ニューヨーク・パンクの旗手Blondieが、ジャンルの垣根を越えて音楽の冒険へ!『Autoamerican』は、時代を超えて愛される独自のサウンドを獲得した必聴の一枚

Pop Pop/Soul

1980年にリリースされたブロンディの『Autoamerican』は、バンドにとって大きな転換点となるアルバムだ。それまでのニュー・ウェーブやパンクの枠を超え、ジャズ、レゲエ、ディスコ、ラウンジ・ミュージック、シンフォニック・ポップなど、多様なスタイルを取り入れた意欲作である。『Parallel Lines』(1978年)や『Eat to the Beat』(1979年)で確立したキャッチーでポップなサウンドから一歩踏み出し、より実験的でアーティスティックな方向へと舵を切った作品だ。

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ジャンルとサウンドの進化

本作は、Blondieの音楽的多様性が際立ったアルバムである。パンクやニュー・ウェーブをベースにしながらも、シンフォニックなイントロから始まり、ジャズ、レゲエ、ディスコ、ファンクなど、さまざまな要素が融合している。特に、オーケストラを導入したオープニング曲「Europa」や、ジャズ色の強い「Faces」、そしてレゲエの影響を色濃く反映した「The Tide Is High」は、従来のBlondieのイメージを大きく変えるものだった。

デボラ・ハリー(Debbie Harry)のボーカルも、アルバムを通して多彩なスタイルを披露している。セクシーでクールな歌声から、柔らかくメロディアスな表現、さらにはラップにも挑戦するなど、彼女のアーティストとしての成長が感じられる。

おすすめのトラック

  • 「The Tide Is High」
    ジャマイカのグループ、The Paragonsの楽曲をカバーし、レゲエとポップを融合させた名曲。のちのMadonnaやNo Doubtにも影響を与えた、Blondieの代表曲の一つとなった。
  • 「Rapture」
    アメリカの音楽史において重要な楽曲の一つ。ニュー・ウェーブとディスコ、ヒップホップを組み合わせた革新的なトラックで、デボラ・ハリーが披露するラップは、白人女性アーティストとして初めて全米No.1を獲得したラップ・ソングとしても知られる。
  • 「Angels on the Balcony」
    シンセサイザーが印象的なニュー・ウェーブらしい一曲。幻想的な雰囲気が漂い、アルバムの中でも特に奥行きのある楽曲となっている。
  • 「Go Through It」
    ロカビリーと50年代のポップの要素を取り入れた、軽快なビートが特徴の一曲。Blondieのルーツに立ち返るようなサウンドが魅力的。

『Autoamerican』の意義と評価

本作は、Blondieの音楽的な野心と実験精神が詰まったアルバムでありながら、商業的にも成功を収めた。特に、「The Tide Is High」と「Rapture」は全米No.1を記録し、バンドのグローバルな人気をさらに高めた。しかし、一方でこのアルバムの方向性はバンド内に緊張を生み、その後の活動休止やメンバーの脱退へとつながるきっかけの一つにもなった。

リリース当時は、ファンや批評家の間で意見が分かれるアルバムだったが、現在ではBlondieの進化と多様性を示した重要な作品として評価されている。80年代初頭の音楽シーンにおいて、ロックバンドがヒップホップやレゲエに接近し、ポップ・ミュージックの枠を広げたことは、のちのアーティストにも多大な影響を与えた。

結論:挑戦と革新の象徴的アルバム

『Autoamerican』は、Blondieのキャリアの中でも特にユニークで、多彩な音楽スタイルを取り入れた作品だ。従来のニュー・ウェーブ路線からの脱却を図りながらも、ポップで洗練されたセンスはそのままに、新たな音楽的領域を開拓した。このアルバムを通じて、Blondieが単なるパンク/ニュー・ウェーブ・バンドではなく、ジャンルを超越したアーティストであることが証明された。音楽の可能性を広げた本作は、今なお色あせることのない魅力を放ち続けている。

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