1995年にリリースされたRancidの名盤『…And Out Come the Wolves』は、パンク・リバイバルの波に乗ってシーンを席巻した決定的な1枚。攻撃的なエネルギーとストリート感覚を武器にしつつ、スカやレゲエのリズムを巧みに取り入れたサウンドで、90年代のパンクを代表する作品として不動の地位を築いています。熱く、不器用で、しかし誠実に生きる若者たちのリアルな息吹を詰め込んだこのアルバムは、今なお多くのパンクキッズに影響を与え続けています。
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ジャンルと音楽性
『…And Out Come the Wolves』は、ストリートパンク/スカパンク/オルタナティブ・ロックのエッセンスを絶妙に融合させたサウンドが特徴。The Clashの遺伝子を受け継ぎつつ、West Coastらしい疾走感とスケーターカルチャーの空気感を纏っています。ティム・アームストロングのしゃがれたヴォーカルとラース・フレデリクセンのアグレッシブな掛け合いは、Rancidならではの熱量と哀愁を両立させ、リスナーを一気に引き込みます。
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おすすめのトラック
- 「Roots Radicals」
アルバムの象徴ともいえるスカパンクナンバー。レゲエへのオマージュを散りばめつつ、反骨精神に満ちたリリックが心を打つ。イントロのコーラスから最後まで、勢いとグルーヴが止まりません。 - 「Time Bomb」
Rancid史上最もキャッチーかつスカ色の強いヒット曲。弾むビートと口ずさみたくなるメロディが絶妙。シンプルだが耳に残るベースラインが中毒性を生む名曲です。 - 「Ruby Soho」
エモーショナルなメロディとノスタルジックな歌詞が特徴。失われた愛や人生の儚さを、力強くも切なく歌い上げる。イントロのギターリフは、今なお多くのファンに愛され続けています。 - 「Olympia WA.」
グランジ以降のアメリカン・ロックと西海岸パンクの接点を感じさせる一曲。短くも凝縮された怒りと郷愁が交錯し、Rancidのルーツを感じられる内容となっています。 - 「Maxwell Murder」
マット・フリーマンの高速ベースソロが炸裂するオープニングトラック。テクニカルながらパンクらしい衝動も失わない、プレイヤー目線でも注目すべき一曲。
アルバム総評
『…And Out Come the Wolves』は、Rancidのアイデンティティが結晶化した名盤であり、90年代パンクの金字塔。エッジの効いた音像と社会的な視点、そしてスカやレゲエをブレンドした柔軟なスタイルが、幅広いリスナー層に受け入れられました。勢いだけではなく、構築された楽曲センスとリリックの深みがあることで、時代を超えて聴かれる作品となっています。音楽的にも思想的にも“本物”であることを証明したこのアルバムは、パンクを語るうえで絶対に外せない1枚です。