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アイダーが紡ぐ『Late to the World』は、エレクトロニカとドリームポップの余白に宿る、ふたりの声が描くのは、世界に追いつくのではなく、自分自身に追いついていくための旅の記録

Pop Pop/Soul/Jazz
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UKの女性デュオIDERによる2023年リリースのアルバム『Late to the World』は、前作『Emotional Education』からの進化を感じさせる、内省的かつ情感豊かな一枚。コロナ禍を経て制作されたこのアルバムは、孤独、自己再生、そして希望をテーマに据えながら、IDERらしい繊細なハーモニーと洗練されたエレクトロ・ポップのサウンドで彩られている。現代的なポップの中に隠された強いメッセージと感情の波が、聴く者の心に静かに刺さってくる。

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Amazon.co.jp: Late to the World : IDER: デジタルミュージック
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ジャンルと音楽性

ジャンルとしてはインディーポップ、エレクトロニカ、オルタナティブ・ポップが中心。IDERの最大の武器である二人のボーカルの絡み合いは健在で、リズムはミニマルながら深みがあり、ピアノやシンセサイザーのサウンドが内省的な歌詞と見事に調和している。ダークなムードを漂わせながらも、どこかで希望の光を感じさせる楽曲構成は、心の迷路に入り込んだリスナーをやさしく導いてくれる。

おすすめのトラック

  • Attachment Theory」
    エレクトロポップとオルタナティブR&Bを基調に、親密なハーモニーと内省的な歌詞が絡み合い、自己と他者、愛と不安、依存と独立といったテーマを鋭く描き出します。
  • Girl」
    女性同士の連帯と自己肯定感をテーマにしたエモーショナルなバラード。ミニマルなピアノと澄んだハーモニーが印象的で、傷ついた心を優しく包み込むような温もりがあります。内なる葛藤と癒しが交錯する、美しくも力強い1曲です。
  • Zero」
    自己喪失と再生をテーマにしたエレクトロ・ポップの佳曲。繊細なヴォーカルとダークなシンセサウンドが織りなす緊張感のあるサウンドスケープが、心の空虚さとそこからの解放をドラマチックに描き出しています。静と動のコントラストが印象的な、感情を揺さぶる1曲です。
  • You Don’t Know How to Drive」
    人間関係のもどかしさやフラストレーションをウィットと皮肉を交えて描いたエレクトロポップナンバー。軽快なビートと洗練されたハーモニーが、感情の高まりと混乱をスタイリッシュに包み込み、聴き手の心に鋭く刺さる1曲です。
  • Killing the Game」
    自己肯定感と内なる葛藤をテーマにしたエレクトロポップの秀作。繊細でありながら力強いボーカルと、緻密に構築されたサウンドが絶妙に絡み合い、自分自身と向き合う強さを静かに鼓舞してくれる一曲です。

アルバム総評

『Late to the World』は、IDERの成熟と進化を感じさせる作品だ。前作にあったティーンエイジャー的な不安や希望は影を潜め、今作では大人になった自分たちが世界とどう向き合うか、というより深いテーマに挑んでいる。控えめながら芯のあるサウンドと歌声、そして何より日常の感情に寄り添ったリリックが、静かに、しかし確実に心を揺さぶってくる。

自分のペースで世界と接したい人にこそ、この『Late to the World』はそっと寄り添ってくれるはずだ。

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