1991年にリリースされたNorthside『Chicken Rhythms』は、マンチェスター発の「マッドチェスター」ムーブメントの中で生まれた唯一のスタジオ・アルバムです。ハッピー・マンデーズやインスパイラル・カーペッツと並び語られることの多い彼らですが、よりポップで軽快なメロディ感とシンプルなビートを前面に押し出し、ダンサブルで親しみやすい作品に仕上げています。当時のUKインディ・シーンの熱気と、ストリート感のあるリアリティを凝縮した一枚と言えるでしょう。
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ジャンルと音楽性
『Chicken Rhythms』は、マッドチェスターの特徴であるクラブ文化由来のグルーヴと、インディ・ロック的なギターサウンドが絶妙に融合しています。ストーン・ローゼズのサイケデリックな厚みやハッピー・マンデーズの退廃的なグルーヴに比べ、Northsideはより軽やかでポップ寄り。ギターのカッティング、跳ねるようなベースライン、そしてシンプルながらクセになるリズムが特徴です。全体的にダンサブルで聴きやすく、クラブシーンだけでなくラジオでも愛された理由が伝わります。
おすすめのトラック
- 「Shall We Take a Trip」
薬物文化を直接的に連想させる歌詞で物議を醸したものの、軽快なリフとポップなメロディがクセになる代表曲。アルバムの幕開けとしてインパクト大です。 - 「Take Five」
弾けるようなリズムとキャッチーなサビが特徴で、彼らの最大のヒット曲。ダンスフロアを意識したビートにギターの煌めきが重なる、Northsideらしさ全開のナンバー。 - 「Weight of Air」
より落ち着いた雰囲気を持ち、メロディの美しさが際立つ楽曲。アルバムの中でクールダウンする役割を果たし、ポップセンスの多面性を見せています。 - 「Shall We Take a Trip?」
ボーナスとして触れておきたいのがシングルカットされたこのバージョン。コンパクトにまとまった中でも中毒性の高さは健在です。
アルバム総評
『Chicken Rhythms』は、マッドチェスターの一時代を象徴する作品でありながら、その後シーンが急速に収束していく中で埋もれてしまった不遇の名盤です。ダンサブルでポップなサウンドは今聴いても色褪せず、むしろインディ・ダンスやブリットポップの先駆けとして再評価すべき存在。Northsideは短命に終わったバンドでしたが、このアルバムに刻まれたキャッチーさと躍動感は、90年代UK音楽史の中で確かな輝きを放っています。ハッピー・マンデーズやストーン・ローゼズを愛するリスナーにはもちろん、ポップなインディ・ロックを探している人にもおすすめできる一枚です。