1987年にリリースされたスウィング・アウト・シスターのデビューアルバム『It’s Better To Travel』は、洗練されたポップサウンドとジャズ、ソウル、ニューウェーブの要素を巧みに融合させた作品です。イギリスの音楽シーンで一際スタイリッシュな輝きを放ったこのアルバムは、80年代のシンセ・ポップの枠を超え、エレガンスとグルーヴを兼ね備えた独自の世界を築き上げました。
⬇️アマゾンミュージックで『It’s Better To Travel』をチェック⬇️
ジャンルと音楽性
『It’s Better To Travel』は、ニューウェーブやシンセ・ポップの流れを汲みながらも、スムーズなジャズやソウルの影響が色濃く反映されています。プラスチックな打ち込みサウンドに頼るのではなく、生楽器とエレクトロニック・アレンジのバランスが絶妙で、コリーン・ドリューリーの甘美でありながら芯のあるボーカルが楽曲に華を添えています。アーバンな雰囲気とロマンティックなムードを兼ね備えたサウンドは、80年代のシティ・ポップやジャズ・フュージョン好きにも響くはずです。
アルバムの背景
Swing Out Sisterは、キーボーディストのアンディ・コーネル、ドラマーのマーティン・ジャクソン、そしてボーカルのコリーン・ドリューリーを中心に結成されたイギリスのバンドです。本作のリリース後、グループは世界的な成功を収め、特に日本やアメリカでの人気を確立しました。本作は、UKアルバムチャートで1位を獲得し、デビュー作としては驚異的な成功を収めています。
おすすめのトラック
- 「Breakout」
アルバムを代表するキラーチューンで、軽快なホーンセクションとダンサブルなリズムが心を弾ませます。キャッチーなメロディとポジティブな歌詞が印象的で、まさに80年代ポップの名曲。 - 「Twilight World」
ジャズの要素が際立つ洗練されたトラック。ゆったりとしたグルーヴと幻想的なムードが心地よく、都会的な夜の雰囲気を演出しています。 - 「Surrender」
スムーズなシンセとエレガントなメロディが魅力のバラード。コリーンの艶やかなボーカルが際立ち、リスナーを包み込むような優雅な一曲。 - 「Fooled By A Smile」
軽やかなビートと少し切ないメロディが印象的な楽曲。ポップでありながら、歌詞には奥深い感情が込められています。
全体の印象
『It’s Better To Travel』は、80年代のポップアルバムの中でも、特に洗練されたサウンドとセンスが光る作品です。打ち込み主体のシンセ・ポップとは異なり、ジャズやソウルの要素を取り入れることで、時代を超えて聴き続けられる魅力を持っています。また、単なるポップアルバムにとどまらず、都会的なムードと遊び心が随所に散りばめられており、何度聴いても新しい発見がある作品です。
結論
Swing Out Sisterの『It’s Better To Travel』は、80年代のポップの洗練された魅力を詰め込んだアルバムです。シンセ・ポップの枠にとどまらず、ジャズやソウルのテイストを取り入れることで、スタイリッシュでありながらリラックスできる独自のサウンドを確立しています。都会の夜にぴったりの一枚として、今なお輝きを放ち続ける名盤です。