ジャマイカを代表するラヴァーズ・ロックの巨匠、Beres Hammond(ベレス・ハモンド)が放つ『Something Old, Something New』は、そのタイトル通り、彼のキャリアを総括しつつも新たな息吹を感じさせるアルバムだ。甘く切ない歌声と洗練されたリズムが交錯し、まるで夜風のように心にやさしく吹き抜ける。ソウルフルで成熟したレゲエの世界観が広がり、彼の音楽人生を象徴するような深いグルーヴと人間味にあふれている。
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ジャンルと音楽性
本作は、ラヴァーズ・ロックとルーツ・レゲエを軸にしながらも、ハモンド特有のスムースでソウルフルなサウンドが貫かれている。彼のボーカルは単なる愛の歌に留まらず、人生の哀歓や希望を感じさせる温かみがある。バックのリズムセクションはタイトでありながら柔らかく、ホーンやオルガンのアレンジも絶妙に絡み合うことで、穏やかながらも心に残るサウンドスケープを生み出している。
新曲と過去曲の再録を組み合わせた構成により、ハモンドの音楽的進化と普遍的な魅力を同時に味わえる点も興味深い。
おすすめのトラック
- 「Warrior Don’t Cry」
オープニングを飾るこの曲は、ベレス・ハモンドが得意とする「現実(Reality)」系のメッセージ・ソングだ。穏やかなレゲエのリズムに乗せて、人生の困難に立ち向かう者たちへ、諦めずに戦い続けるよう静かに、しかし力強く語りかける。 - 「Can’t Walk Away」
メロディックで心に染みる楽曲構成と、一途な愛を歌い上げる彼の甘い歌声が特徴的で、夜のドライブやロマンチックなムードにぴったり。レゲエファンにとって、彼の「ラヴァーズ・ロック・キング」としての地位を確立した重要な楽曲だ。 - 「I Feel Good」
幸福感に満ちたアップテンポのグルーヴが心地よい楽曲。彼の円熟した歌唱力と、明るいホーン・セクションが相まって、体が自然に動き出すようなレゲエの醍醐味を感じさせる。 - 「I’m Gonna Do My Best (feat. Buju Banton)」
ベレス・ハモンドとレゲエ・シーンの盟友ブジュ・バントン(Buju Banton)との強力なコンビネーション・チューン。ベレスのシルキーなヴォーカルと、ブジュ・バントンの力強いディージェイ(Dejay/ラッパー)スタイルが絶妙なコントラストを生み出している。
アルバム総評
『Something Old, Something New』は、タイトルが示すように「過去と現在の融合」をテーマにした一枚だ。Beres Hammondの音楽は決して派手ではないが、その静かな説得力と深い情感は時代を超えて響く。レゲエの土壌に根ざしながらも、ソウルやR&B的な感性を取り入れたこの作品は、ラヴァーズ・ロックの魅力を凝縮した名盤といえる。
聴くたびに心が解きほぐされ、まるで陽の光が差し込む午後のような穏やかさを感じさせる——そんなアルバムだ。