Chelsea Cutlerの2ndアルバム『When I Close My Eyes』は、内省的で繊細な感情を大胆に表現した作品だ。彼女の柔らかなボーカルと、ミニマルでありながら洗練されたサウンドスケープが織りなす世界は、リスナーを深い共感と余韻の中へと導く。等身大の歌詞と透明感あるメロディが、現代のベッドルームポップ/インディポップの文脈をさらに広げ、パーソナルでありながら普遍的な物語を響かせている。
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ジャンルと音楽性
本作はエレクトロポップやインディポップを基調としながら、シンセサウンドとギターが絶妙に絡み合い、静けさと高揚感を交互に描き出すのが特徴だ。Chelseaの音楽は「過剰に装飾しないシンプルさ」が逆に深い感情を伝える力を持っており、本作でもその美学が一貫して貫かれている。繊細なプロダクションは夜の静けさに寄り添うようであり、同時に未来へ向かう力強さも備えている。
おすすめのトラック
- 「Forever」
軽やかなシンセに支えられたアップテンポなナンバー。希望と切なさが同居するメロディが印象的で、アルバム全体の雰囲気を明るく照らす役割を果たしている。 - 「Devil on My Shoulder」
内面の葛藤や不安を歌った楽曲。抑制されたビートと低音の効いたサウンドが、歌詞のテーマを引き立てる。Chelseaの感情のこもった歌声が心に迫る。 - 「Without You」
アコースティックギターが前面に出たシンプルなアレンジで、素朴ながらも深い余韻を残す。彼女の人間的な脆さと誠実さが伝わる一曲だ。 - 「Calling All Angels」
浮遊感あるシンセとリズムが心地よく、柔らかいサビが耳に残る。ポップな明るさの中に切なさを秘めた、Chelseaらしいバランス感覚が光る。 - 「You Can Have It」
切ないメロディに寄り添うような柔らかなビートと、彼女の素直な歌声が重なり、愛する人へすべてを捧げたいという気持ちを繊細に描き出しています。過剰な装飾のないプロダクションが、逆に彼女の歌詞と感情を際立たせており、聴く人の心に真っ直ぐ響くナンバーです。
アルバム総評
『When I Close My Eyes』は、Chelsea Cutlerがシンガーソングライターとしての成熟を見せつけたアルバムだ。等身大の言葉と繊細なプロダクションによって、彼女はリスナーの心に寄り添いながら、自身の感情を赤裸々に表現している。アルバム全体を通じて「弱さを認める強さ」というテーマが流れており、日常の孤独や葛藤を抱える誰しもが、自分の物語を重ねられる作品だろう。夜に一人で聴くと特にその余韻が深まる一枚であり、ポップスの枠を超えて心に残るアルバムに仕上がっている。