1978年にデビューしたイギリスのボーカル・グループ、Rocky Sharpe & The Replays。彼らは、アメリカ発祥のドゥーワップやロックンロールを、英国のポップセンスで再構築することで1970〜80年代の音楽シーンに一石を投じた。そんな彼らの代表作とも言えるのが、今回紹介するアルバム『Shout! Shout!』である。
本作は1950~60年代の黄金期を彷彿とさせるアナログ感と、人懐っこいコーラスハーモニーを前面に押し出した作品だ。レトロなサウンドメイクでありながら、どの楽曲もポップで親しみやすく、まさに「聴いて楽しい」「口ずさみたくなる」要素が詰め込まれている。
⬇️アマゾンミュージックで『Shout! Shout!』をチェック⬇️
時代を越える「声」のマジック
このアルバム最大の魅力は、何と言ってもその絶妙なコーラスワークだ。Rocky Sharpeの明快なリードボーカルを中心に、バックのReplaysが柔らかくも力強く支えるアンサンブルは、The PlattersやThe Diamondsといった往年のグループを思わせるが、ただの模倣では終わらない。全体に漂うエネルギーや洗練された構成は、むしろ新鮮さすら感じさせる。
おすすめトラック
- 「Shout! Shout! (Knock Yourself Out)」
Ernie Marescaのオリジナルをカヴァーした、グループ最大のヒットナンバー。軽快なテンポと連呼される「Shout! Shout!」のフレーズは、一度聴いたら忘れられない中毒性を持つ。ライブでも観客と一体になれること間違いなしのキラーチューン。 - 「Whole Lotta Loving」
1950年代ドゥーワップの黄金時代を思わせる軽快でキャッチーなナンバー。ノスタルジックでありながらも洗練されたポップセンスが光る、ドゥーワップ・ラバー必聴の1曲です。 - 「Alright, Ok, You Win」
軽快なドゥーワップ・ビートにのせて、甘く弾けるハーモニーが心を包み込む。1950年代風のロマンティックなノスタルジーが現代に蘇る、キュートでキャッチーな1曲。 - 「Heart」
切なさと甘さが入り混じるラブソング。ソフトなメロディに乗せた熱のこもったヴォーカルは、単なるカバーにとどまらず、グループの温もりと個性を感じさせる。レトロなアレンジながら、どこか現代的な感情も滲み出る佳曲。
レトロを超えたポップ・リバイバル
『Shout! Shout!』は単なる懐古主義ではない。当時のスタイルをただなぞるのではなく、「今だからこそ」新鮮に響くサウンドとしてドゥーワップを蘇らせている。リバイバルブームの中でも、この作品が特に評価されるのは、演奏・アレンジ・録音のクオリティが総じて高く、聴く者を選ばないポップ性を兼ね備えているからだ。
まとめ
Rocky Sharpe & The Replays『Shout! Shout!』は、1950〜60年代のドゥーワップ黄金期を現代的にアップデートした名作。甘く切ないバラードからノリノリのロックンロールまで、バラエティ豊かな全曲が「声」の魅力で満たされている。古き良き音楽を愛する人はもちろん、ドゥーワップ初心者にも自信をもっておすすめできるアルバムだ。