1989年にリリースされたNeneh Cherryのデビューアルバム『Raw Like Sushi』は、ヒップホップ、R&B、ポップ、ダンスミュージックといった多彩な要素を融合させた革新的な作品です。彼女はスウェーデン出身で、ジャズトランペッターDon Cherryを父に持つという音楽的背景を活かし、ジャンルの垣根を越える独自のスタイルを確立しました。本作は、当時の音楽シーンにおいて「女性がラップを前面に押し出す」という新しい潮流を作り出し、国際的な評価を獲得した重要なアルバムです。
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ジャンルと音楽性
『Raw Like Sushi』は一言で言えば「クロスオーバーの極み」。ヒップホップのリズム感、R&Bの滑らかなグルーヴ、ポップスのキャッチーなメロディが見事に融合しています。さらにジャズやファンクの要素も随所に見え隠れし、当時のニューヨークやロンドンのクラブカルチャーを色濃く反映。Neneh Cherryはラップと歌を自由自在に行き来し、女性アーティストとしての強さと柔らかさを両立させています。彼女のリリックは自立や愛、社会的視点を持ち、ダンサブルでありながらもメッセージ性を失わない点が大きな魅力です。
おすすめのトラック
- 「Buffalo Stance」
アルバムを代表する大ヒット曲。キャッチーなビートとクールなラップ、そしてファッションカルチャーを背景にした歌詞は、今聴いても鮮烈。Neneh Cherryを一躍世界的スターに押し上げました。 - 「Manchild」
柔らかいメロディと深いリリックが印象的なバラード調の曲。母性と人間関係をテーマにし、彼女のヴォーカルの繊細さが際立ちます。 - 「Inna City Mamma」
ヒップホップ的なビートにソウルフルな要素が重なり、アーバンな雰囲気を漂わせる一曲。都会的でありながら温かみを感じさせるトラックです。 - 「Kisses on the Wind」
ラテンのリズムを取り入れた遊び心あふれる楽曲。英語とスペイン語がミックスされた歌詞が、国際的なNenehのアイデンティティを反映しています。 - 「Heart」
シンセとビートが心地よく絡み合う楽曲で、アルバム全体のグルーヴ感を支える存在。ポップさとアンダーグラウンド感のバランスが秀逸です。
アルバム総評
『Raw Like Sushi』は、単なるデビュー作にとどまらず、音楽シーンにおける「女性アーティストの可能性」を大きく切り開いた歴史的なアルバムです。ジャンルの境界を軽々と飛び越え、時代を先取りする音楽性は30年以上経った今でもフレッシュに響きます。社会性とダンスフロアの熱気を両立させたバランス感覚、そしてポップアイコンとしてのカリスマ性を兼ね備えた作品として、Neneh Cherryの『Raw Like Sushi』は80年代末を代表する傑作のひとつであると言えるでしょう。