ロイ・ウッド(Roy Wood)の『The Wizzard! Greatest Hits and More – The EMI Years』は、彼の多彩なキャリアを凝縮したベスト盤であり、奇抜なアイデアとジャンルを超えた音楽性を余すところなく体感できる作品だ。Move、ELOの創設メンバーとして知られるウッドは、ソロやWizzard名義でも独自のサウンドを追求し続けた。本作はその集大成ともいえる内容で、70年代を中心に展開されたカラフルでエネルギッシュな楽曲群が収録されている。奇抜なビジュアルと同じく、音楽的にも独創性を極めたアーティストの魅力が堪能できる一枚だ。
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ジャンルと音楽性
Roy Woodの音楽は、一言で括ることが難しい。グラムロック、ポップ、ロックンロール、R&B、さらにはビッグバンドやクリスマスソングの要素まで取り入れ、そのすべてを彼独自のセンスで融合しているのが特徴だ。Wizzard名義の楽曲では、サックスやホーンセクションを多用し、厚みのあるサウンドで聴き手を圧倒。一方でポップなメロディラインや遊び心を忘れず、キャッチーかつ豪快な音楽性を展開する。ソロ曲では緻密なアレンジと実験精神が前面に出ており、バラエティ豊かで飽きさせない構成となっている。
おすすめのトラック
- 「See My Baby Jive」
Wizzard最大のヒット曲で、グラムロックの祝祭的なエネルギーに満ちた一曲。豪快なブラスとキャッチーなコーラスが、聴く者を一気に70年代の熱狂へと引き込む。 - 「Angel Fingers (A Teen Ballad)」
ロマンティックかつポップな魅力が光る楽曲。独特のコーラスワークと軽快なビートで、彼のメロディセンスの高さを感じさせる。 - 「Ball Park Incident」
エッジの効いたロックンロール色の強いナンバーで、荒々しい勢いとポップな軽快さを同時に楽しめる。ライヴ感にあふれたアレンジは、Wizzardの魅力を凝縮している。 - 「I Wish It Could Be Christmas Everyday」
Roy Woodといえば外せない定番クリスマスソング。華やかなホーンやコーラスがクリスマスの喜びを盛大に演出し、時代を超えて愛される名曲だ。
アルバム総評
『The Wizzard! Greatest Hits and More – The EMI Years』は、Roy Woodの音楽的冒険心とエネルギーを余すところなく詰め込んだ一枚であり、単なるベスト盤以上の価値を持っている。グラムロックの華やかさ、ポップスのキャッチーさ、そして遊び心に満ちたアレンジの妙がすべて詰まっており、聴き手を飽きさせない。彼の奇才ぶりと、音楽に対する純粋な情熱を再確認できるアルバムであり、ロック史における彼の独自の存在感を再評価する絶好の機会となるだろう。