Rock/Alternative

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知的なユーモアと独創的なメロディが詰まった『Flood』は、They Might Be Giantsの代表作にして、オルタナ・ポップの金字塔!キャッチーでありながらもクセになる楽曲群が、何度聴いても新たな発見をもたらす一枚

1990年にリリースされたゼイ・マイト・ビー・ジャイアンツ(以下TMBG)のサード・アルバム『Flood』は、彼らのキャリアを決定づける作品であり、オルタナティブ・ロック、ニューウェーブ、アート・ポップ、さらにはノベルティ・ソングの要素まで詰め込まれた異色の名盤です。知的でありながらユーモアに溢れ、キャッチーなのに一筋縄ではいかない楽曲群は、当時のオルタナティブ・シーンの中でも際立ってユニークな存在感を放っていました。
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冷徹なビートと荒々しいギターが交錯する、The Jesus and Mary Chainの進化形!ノイズとポップが絶妙に融合した『Automatic』は、機械的なクールさと熱情がぶつかり合う

ジーザス&メリー・チェインの3rdアルバム『Automatic』(1989年)は、彼らのディスコグラフィの中でも異色の作品として知られています。前作までのシューゲイザー的なノイズウォールとは異なり、ドラムマシンとプログラムされたベースラインを多用し、より洗練されたサウンドへと進化した一枚です。それでも、彼らの持ち味である甘美なメロディと鋭いギターのフィードバックは健在で、荒々しさとポップネスが絶妙に絡み合っています。
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世界の終わりが訪れても、美しさは失われない――Thirty Seconds to Marsが贈る『It’s The End Of The World But It’s A Beautiful Day』。洗練されたサウンドとエモーショナルな歌詞が、心の奥深くに響き渡る

サーティー・セカンズ・トゥ・マーズが2023年にリリースした『It’s The End Of The World But It’s A Beautiful Day』は、バンドにとって約5年ぶりとなるスタジオアルバムであり、彼らの新たな音楽的アプローチが凝縮された作品だ。本作は、シネマティックなサウンドスケープとエモーショナルなボーカルが融合し、ポストロックやオルタナティブロックの枠を超えた壮大な作品となっている。タイトルが示す通り、終末感と希望の狭間で揺れ動くようなテーマが貫かれており、リスナーを深い内省へと誘う。
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反逆のエネルギーと音楽的成熟が交差するThe Rolling Stonesの『Aftermath』。単なるブルースロックバンドから、独自の音楽世界を築く存在へと進化を遂げた記念碑的アルバム

1966年にリリースされた『Aftermath』は、ザ・ローリング・ストーンズにとって大きな転換点となったアルバムだ。それまでの彼らは、ブルースやR&Bのカバーを中心としたバンドだったが、この作品で初めて全曲がミック・ジャガーとキース・リチャーズによるオリジナル曲となり、バンドの音楽性が大きく進化した。また、ロックンロールの枠を超え、フォーク、サイケデリック、バロック・ポップなどの多彩な要素が取り入れられた点でも特筆すべきアルバムである。
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激情と叙情が完璧に融合したエモの傑作、The Red Jumpsuit Apparatusの『Don’t You Fake It』。エモやポストハードコアが好きなら絶対に外せない、2000年代ロックシーンを代表するアルバムの一つ

2006年にリリースされたザ・レッド・ジャンプスーツ・アパラタスのデビューアルバム『Don't You Fake It』は、エモやポストハードコアのエッセンスを詰め込んだ情熱的な作品だ。キャッチーなメロディとアグレッシブなサウンドが融合し、バンドの個性を強く打ち出している。本作は、エネルギッシュなギターリフ、力強いドラム、そしてヴォーカルのロニー・ウィンターズが持つ感情豊かな歌声が魅力で、リリース当時から多くのリスナーの心を掴んできた。
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荒々しくも研ぎ澄まされたサウンドが炸裂する、日本のロック史に輝く名盤The Roostersの『The Roosters』。激情的なボーカルと鋭いギターリフが魂を揺さぶる

ザ・ルースターズのデビューアルバム『The Roosters』は、日本のロックシーンにおける金字塔とも言える作品だ。1980年にリリースされた本作は、パンクロックの荒々しさと、ブルースやガレージロックのルーツを感じさせるサウンドが見事に融合した一枚となっている。日本のパンク黎明期を牽引した彼らの音楽は、ストレートなロックンロールの衝動と、どこか退廃的でクールなムードを持ち合わせており、後のバンドにも多大な影響を与えた。
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劇的な美しさと妖艶なエネルギーが交差する、The Last Dinner Partyの壮大なデビュー作『Prelude to Ecstasy』。ゴシックなムードとロックの躍動感が融合し、華麗なメロディと詩的な歌詞が織りなす

2024年にイギリスの新鋭バンド、ザ・ラスト・ディナー・パーティーが満を持してリリースしたデビューアルバム『Prelude to Ecstasy』は、まさに劇的で華麗なサウンドの祝祭だ。彼女たちは、わずか数曲のシングルリリースの段階から注目を集め、クラシカルな要素を織り交ぜたゴシック・バロック・ポップとも形容される独特の音楽性でリスナーを魅了してきた。本作では、その独創的なスタイルをさらに発展させ、緻密なアレンジと感情を揺さぶる楽曲で、一つの物語を描いている。
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The Usedのセルフタイトル・アルバム『The Used』は、痛みも喜びもすべて詰め込んだこの作品は、エモシーンの礎を築いた一枚として今なお輝きを放つ

ザ・ユーズドのセルフタイトルデビューアルバム『The Used』は、2002年にリリースされ、エモやポスト・ハードコアの新たな波を生み出した作品のひとつとして高く評価されています。激情的なボーカル、轟音のギター、そしてドラマティックな曲展開が特徴的で、後のエモ・スクリーモシーンに大きな影響を与えました。本作は、自己破壊的な歌詞とエネルギッシュな演奏を武器に、The Usedというバンドの個性を確立した重要な一枚です。
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The Mock Turtlesの『Turtle Soup: Expanded Edition』は、煌めくギターポップとマッドチェスターのエネルギーが交錯する、90年代UKインディーシーンの魅力が満載

1990年にリリースされたザ・モック・タートルズのデビューアルバム『Turtle Soup』は、マッドチェスター・ムーブメントの中で生まれながらも、よりメロディアスでギターポップ寄りのサウンドを特徴とする作品だ。Expanded Editionではオリジナル盤に加え、B面曲やデモ、リミックスが追加され、バンドの音楽的な幅広さをより深く掘り下げられるようになっている。
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The Poguesの『If I Should Fall from Grace with God』は、アイリッシュロックの金字塔!疾走感あふれるメロディに乗せた哀愁と情熱、泥臭くも心を打つ詩情が響き渡る傑作アルバム

ザ・ポーグスの1988年リリースのアルバム『If I Should Fall from Grace with God』は、彼らのキャリアの中でも最も完成度が高く、多様な音楽性を取り入れた作品として評価されている。アイリッシュ・フォークとパンク・ロックの融合という彼らのスタイルが、このアルバムではさらに進化し、バンドの持つ叙情性と荒々しさが絶妙なバランスで共存している。