1990年にリリースされたゼイ・マイト・ビー・ジャイアンツ(以下TMBG)のサード・アルバム『Flood』は、彼らのキャリアを決定づける作品であり、オルタナティブ・ロック、ニューウェーブ、アート・ポップ、さらにはノベルティ・ソングの要素まで詰め込まれた異色の名盤です。知的でありながらユーモアに溢れ、キャッチーなのに一筋縄ではいかない楽曲群は、当時のオルタナティブ・シーンの中でも際立ってユニークな存在感を放っていました。
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ジャンルと音楽性
『Flood』は、オルタナティブ・ロックとニューウェーブの枠に収まりながらも、フォーク、ポップ、カントリー、パンク、果てはラウンジ・ミュージックまで吸収した多彩なサウンドを展開しています。彼らの特徴である知的なウィットに富んだ歌詞と、予測不可能な楽曲構成が光るアルバムであり、当時のオルタナティブ・ミュージックシーンに新風を吹き込みました。
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おすすめのトラック
- 「Birdhouse in Your Soul」
TMBGの代表曲とも言える一曲。軽快なメロディと、青いナイトライトが自らの存在を語るという奇抜な視点の歌詞が特徴的。シンセの軽やかな音色とキャッチーなコーラスが印象に残ります。 - 「Istanbul (Not Constantinople)」
1953年にリリースされたFour Ladsの楽曲をカバーし、エネルギッシュでエキゾチックなアレンジを加えたバージョン。中東風の旋律とアップテンポなリズムが融合した、ライブでも盛り上がる人気曲。 - 「Particle Man」
シンプルながらもクセになるリズムと、パーティクルマン、トライアングルマン、ユニバースマンという不思議なキャラクターたちの謎めいたストーリーが展開されるシュールな一曲。 - 「We Want a Rock」
「みんなロックを欲しがる、バイオリン付きのロックを」と歌われる、アイロニカルで不条理な世界観が楽しいナンバー。キャッチーなメロディに反して、社会風刺的な側面も持つ楽曲。 - 「Dead」
軽快なピアノの旋律に乗せて、「生まれ変わったらトースターだった」というユーモラスで奇妙な歌詞が展開される、TMBGらしさが詰まった曲。ポップでありながら哲学的な味わいも。
全体の印象
『Flood』は、TMBGのユニークな魅力を余すことなく詰め込んだアルバムであり、キャッチーなメロディと奇抜な歌詞の組み合わせがクセになる作品です。ジャンルを横断する多彩な楽曲群は、何度聴いても新しい発見があり、遊び心と知性を兼ね備えたサウンドは時代を超えて愛され続けています。
結論
They Might Be Giantsの『Flood』は、オルタナティブ・ロックの歴史において特異な輝きを放つ作品です。奇想天外でありながら緻密に作り込まれた楽曲は、今なお多くのファンを惹きつける魅力を持っています。ポップミュージックの概念を広げる、知的で遊び心溢れるこのアルバムを、ぜひ一度体験してみてください。