1978年にリリースされたRezillosのデビューアルバム『Can’t Stand the Rezillos』は、UKパンクの流れを汲みながらも、純粋なパンクロックにとどまらず、50年代のロックンロールやガレージロックの影響を感じさせるキャッチーなサウンドが特徴的な一枚です。攻撃的でありながら、ユーモアとポップセンスにあふれた楽曲群は、パンクの枠を超えて今なお新鮮に響きます。
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ジャンルと音楽性
Rezillosの音楽は、ピュアなパンクロックというよりも、パワーポップやニューウェーブ的な要素を色濃く含んでいます。Ramonesのようなストレートな3コードパンクの影響を受けつつも、キッチュでカラフルなポップセンスが光る点が特徴的。男性ボーカルのユージン・レイノルズ(Eugene Reynolds)と女性ボーカルのファイ・ファイフ(Fay Fife)の掛け合いが絶妙で、スピーディーでパンキッシュな楽曲をさらに個性的なものにしています。
ギターは荒々しくもキャッチーなリフが多く、リズム隊もタイトにまとまっており、どの楽曲も短く鋭いパンチを持っています。一方で、レトロなSF映画やコミックブックから影響を受けた歌詞やアートワークも、このバンドのユニークな魅力を形成しています。
おすすめのトラック
- 「Flying Saucer Attack」
アルバムの幕開けを飾るこの曲は、勢いのあるギターリフとキャッチーなメロディが炸裂する、まさにRezillosのスタイルを象徴するナンバー。UFOやエイリアンをテーマにした歌詞がユニークで、バンドの持つ遊び心が詰まっています。 - 「Somebody’s Gonna Get Their Head Kicked In Tonight」
元々Fleetwood Macの曲をカバーしたもので、オリジナルのブルースロックを荒々しいパンクサウンドに仕上げた痛快な一曲。タイトル通りの攻撃的なエネルギーが爆発しています。 - 「Top of the Pops」
シングルとしてリリースされ、バンド最大のヒット曲となったこの曲は、イギリスの音楽番組『Top of the Pops』をテーマにしたアイロニカルな楽曲。シンプルながら中毒性のあるコーラスと、キラキラしたポップパンクの魅力が詰まっています。 - 「Glad All Over」
Dave Clark Fiveの名曲をカバーしたこの曲は、オリジナルのビートポップな雰囲気を残しつつも、Rezillosらしい勢いのあるサウンドに変換されています。パワーポップ的な楽しさが全面に出ている一曲。 - 「2000 AD」
近未来的なテーマを持ちつつ、ダンサブルでキャッチーな展開がクセになる楽曲。バンドの持つレトロフューチャー的な世界観が垣間見える一曲です。
アルバムの魅力と影響
『Can’t Stand the Rezillos』は、パンクの荒々しさとポップのキャッチーさを完璧に融合させた作品であり、のちのニューウェーブやポップパンクのアーティストたちに影響を与えました。セックス・ピストルズやクラッシュのような政治的・社会的なメッセージを前面に押し出すのではなく、あくまでエンターテインメントとしてのパンクロックを追求した点が特徴的で、同時期のB-52’sやThe Crampsとも通じる要素を持っています。
また、短命ながらもRezillosの音楽はその後のシーンに大きな影響を与え、バンドが解散した後も、スピンオフ的なバンドとしてRevillosが活動を続けるなど、その遺産は今も受け継がれています。
まとめ
Rezillosの『Can’t Stand the Rezillos』は、パンクロックの攻撃性とパワーポップの親しみやすさを融合させた、ユニークで楽しいアルバムです。ガレージロック、ロカビリー、サイケデリックな要素を取り入れた楽曲群は、今聴いてもなおフレッシュなエネルギーを放っています。シリアスなメッセージ性よりも、純粋に音楽を楽しむことに重点を置いたスタイルは、ニューウェーブやポップパンクの先駆けともいえるでしょう。パンクファンだけでなく、キャッチーなロックを求めるすべての音楽ファンにおすすめの一枚です。