XTC『Drums and Wires (Bonus Track Version)』
1979年にリリースされたXTCの3rdアルバム『Drums and Wires』は、パンクの衝動から脱却し、より緻密で独創的なポップ・ミュージックへと舵を切った記念碑的な作品です。ギタリストにデイヴ・グレゴリーが加わり、ツインギター編成となったことで、彼ら特有の捻くれたメロディと複雑なリズム構造がより鮮明になりました。本エディションは、当時のシングル曲やB面曲を網羅したボーナストラックを含む、バンドの絶頂期へのプロローグを体験できる決定版です。
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Amazon.co.jp: Drums And Wires : XTC: デジタルミュージック
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ジャンルと音楽性
本作のジャンルは「ポストパンク」および「ニューウェイヴ」に分類されますが、その実態は極めて知的なアート・ポップです。タイトル通り、強調されたドラムのゲートリバーブ・サウンド(Drums)と、鋭利なギターのアンサンブル(Wires)が最大の特徴です。ビートルズ譲りのポップ・センスを、角ばったリズムと不協和音ギリギリのコード感で再構築したサウンドは、後のオルタナティヴ・ロックに多大な影響を与えました。
おすすめのトラック
- 「Making Plans for Nigel」 コリン・モールディングが手掛けたバンド最大のヒット曲。独特なドラムパターンと浮遊感のあるギターが、過保護な親に人生を決められる少年の悲哀を皮肉たっぷりに描いています。
- 「Helicopter」 これぞアンディ・パートリッジ節と言える、高速でカクカクとしたリズムが心地よいナンバー。回転するプロペラのようなギターリフが、恋に落ちる焦燥感を完璧に表現しています。
- 「Complicated Game」 アルバムを締めくくる、重厚で狂気を感じさせる一曲。アンディの絶叫に近いボーカルと、徐々に密度を増していく音壁は、当時のバンドが持っていたパンク的な情熱の残り香を感じさせます。
- 「Ten Feet Tall」 アコースティックな響きを活かした、コリンによる瑞々しいポップ・ソング。鋭い楽曲が多い中で、彼らの持つメロディメーカーとしての純粋な美しさが際立っています。
- 「Chain of Command (Bonus Track)」 ボーナストラックとして収録された、エッジの効いた一曲。軍隊のような規則正しいリズムと、不穏に響くギターの掛け合いが、当時の彼らの「鋭利なワイヤー」を象徴するような緊張感を生み出しています。
アルバム総評
『Drums and Wires』は、XTCというバンドが「単なるパンクバンド」から「稀代の音楽家集団」へと変貌を遂げた瞬間を捉えた傑作です。神経質そうな鋭さと、人懐っこいキャッチーさが同居するこのアルバムは、何度聴いても新しい発見があります。ボーナストラックが加わったことで、当時の彼らの創作意欲がどれほど溢れていたかがより深く理解できるでしょう。ポップ・ミュージックの可能性を信じるすべての人に、今こそ聴き返してほしい一枚です。



