1983年にリリースされたIrene Caraの『What a Feelin’』は、ディスコとポップスの熱気が交錯する80年代の空気を濃縮したような一枚。大ヒット映画『Flashdance』の主題歌として世界中に響き渡ったタイトル曲を筆頭に、煌びやかで感情豊かなサウンドが満載。Caraの伸びやかでソウルフルなボーカルは、当時の女性シンガーの中でも際立った存在感を放ち、アルバム全体にポジティブなエネルギーを注ぎ込んでいる。
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ジャンルと音楽性
『What a Feelin’』は、ポップ、R&B、ダンス、ディスコといった80年代の王道サウンドを絶妙にブレンドした作品。Giorgio Moroderによるプロデュースワークは、シンセサイザー主体のスムースなアレンジに支えられ、エモーショナルなメロディと力強いリズムが同居する独自のダンス・ポップ世界を構築している。時に高揚感を、時に切なさを感じさせる音の起伏が、アルバム全体にドラマティックな展開を与えている。
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おすすめのトラック
- 「Flashdance… What a Feeling」
言わずと知れたキャリア最大のヒット曲。イントロのシンセリフから始まり、徐々に盛り上がる展開とCaraの情熱的な歌唱が胸を打つ。サビの高揚感は今聴いても鮮烈で、ダンス音楽の金字塔として語り継がれる一曲。 - 「Why Me?」
感傷的なメロディに乗せて、恋愛の迷いと再生を歌うミッドテンポのナンバー。Ireneの感情豊かなボーカルが響き、エレクトロニックなサウンドと相まって80年代ならではの哀愁を醸し出す。 - 「The Dream (Hold On to Your Dream)」
映画『DCキャブ』のテーマ曲としても知られ、夢を追い続けることの大切さを訴えるパワフルな楽曲。ドラマティックなアレンジと熱のこもったボーカルが印象的で、アルバムの中でもひときわ光る名曲。 - 「You Were Made for Me」
ポップなバラード調の一曲。Caraの柔らかな歌声が際立ち、シンプルな編曲の中に感情がじんわりとにじむ。アルバムにおけるやすらぎの場とも言えるナンバー。 - 「Receiving」
アップテンポなグルーヴに乗せて恋の高揚感を描いたダンス・ナンバー。シンセベースとパーカッションが効いていて、クラブシーンを意識した仕上がり。80年代ファンクのエッセンスも感じさせる。
アルバム総評
『What a Feelin’』は、Irene Caraのシンガーとしての魅力が凝縮された、80年代ポップスのエッセンスが詰まった一枚。彼女の明るく、そしてどこか儚げな声は、Giorgio Moroderのサウンドと絶妙な化学反応を起こしており、単なるサントラシンガーにとどまらないアーティスト性を感じさせる。エネルギーと感情のバランスが心地よく、ダンスフロアでも、静かな夜のひとときにも寄り添うアルバムだ。80年代の音楽に魅了される全てのリスナーに薦めたい名作。
