スポンサーリンク

ロカビリーの跳ねるビートにパンクの凶暴性、そこへサイコホラーな世界観をまぶしたトールボーイズの『Funtime』。カルト的サウンドが暴れまわるこの一枚は、サイコビリーの本質を体現した異端の名盤だ

Rockabilly/Psychobilly
スポンサーリンク

Tall Boysの『Funtime』は、ガレージパンク、ロカビリー、ホラーのエッセンスが火花を散らすように混ざり合い、聴く者を暗黒サーカスのような世界へ引き込む本作。派手な技巧ではなく、突き刺すような衝動と不穏なエネルギーこそがこのアルバムの真髄だ。The DamnedThe Meteorsを追っていた耳にも、思わずうなる“汚れた快楽”がここにある。

⬇️アマゾンミュージックで『Funtime』をチェック⬇️

Amazon.co.jp: Funtime : Tall Boys: デジタルミュージック
Amazon.co.jp: Funtime : Tall Boys: デジタルミュージック
スポンサーリンク
スポンサーリンク
  

ジャンルと音楽性

『Funtime』は、サイコビリー/デスロカビリーの文脈で語られる作品だが、そのサウンドはより広くガレージロック、パンク、ロカビリー、ホラーサーフにまでまたがっている。打ち付けるようなドラム、ブンブン唸るスラップベース、スライドギター、そしてトレモロたっぷりのリバーブ空間が作り出すのは、1950年代の不良文化と80年代の反骨精神が融合したような世界観。
ボーカルのBatemanは、カルト映画の狂人のような語り口で、愛や死、酒と悪夢を唄い上げ、まさに“危険なエンタメ”そのものだ。

おすすめのトラック

  • Take A Walk」
    レトロなロカビリー調のリズムに、サイコホラーな歌詞が乗る異色作。スラップベースの跳ね具合が非常に心地よく、ライヴでも定番となる一曲。夜道で聴けば、つい振り返ってしまいそうな緊張感も◎。
  • 「Brand New Gun」
    無骨なギターリフと挑発的なボーカルが印象的なナンバー。暴力的なユーモアと反体制感が前面に出ており、ガレージパンクの王道を行くエネルギーに満ちている。
  • 「Action Woman」
    カバーでありながら、このアルバムの中でも最もパンチが効いたトラックのひとつ。オリジナルのガレージスピリットを保ちつつ、Tall Boys流の歪みと毒を加え、全く新しい獣に変貌させている。
  • 「Ride This Torpedo」
    タイトル通り、一発ぶっ放して走り去るような無軌道さが魅力で、バンドの暴走本能が最もむき出しになった一曲。生々しい音の勢いと退廃的ユーモアが混在する、Tall Boysらしい異端のキラーチューンです。

アルバム総評

Tall Boysの『Funtime』は、パンクやロカビリーの単なる“懐古”ではなく、破壊と再構築の賜物だ。過剰ともいえる演出とサウンドが、聴き手に“快楽”と“恐怖”を同時に与える稀有な体験をもたらす。ジャンルにとらわれない音楽性と、ライブ感の強いローファイな録音が逆にこのアルバムの魅力を際立たせており、カルト的な評価を受ける理由がよく分かる。サイコビリーの入門にも、深掘りにもおすすめの一枚だ。

タイトルとURLをコピーしました