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アメリカ中西部から生まれたサイケ前夜の輝き!60年代フォーク・ロックとガレージの熱が交差する、ザ・ブルー・シングスの幻の名盤『The Blue Things (Expanded)』が拡張版で復活

Grage Punk/SkaPunk/Garage
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1960年代中西部の米国ロック・シーンの秘宝――The Blue Thingsの唯一のアルバム『The Blue Things (Expanded)』は、フォークロックとガレージのはざまで輝いたサイケの原石。カンザス出身という地理的制約を超えて、彼らは時代の空気を取り込みながら、しなやかなメロディと鋭い社会性を両立した。今回のエクスパンデッド版では、シングルB面や未発表曲も加わり、その全貌がようやく明らかに。

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Amazon.co.jp: The Blue Things (Expanded) : The Blue Things: デジタルミュージック
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ジャンルと音楽性

このアルバムの中心にあるのはフォークロックとガレージロックの絶妙な融合。初期バーズに通じるリッケンバッカーの響きと、アニマルズばりのブルースロック的な骨太さが混在しており、サイケデリック黎明期の雰囲気も感じられる。特筆すべきはリードボーカルのヴァレリー・ワイアットの表現力で、政治的・哲学的なリリックを熱量をもって歌い上げている点。単なるローカルバンドに終わらなかった理由が、音の端々から伝わってくる。

おすすめのトラック

  • 「I Must Be Doing Something Wrong」
    フォーク的なイントロから始まり、次第にガレージ的なドライブ感へと発展していく。自己否定と探求のテーマが、60年代ならではの揺れ動く青年像を表現。
  • 「Doll House」
    女性の社会的位置づけを批判するリリックが印象的。サイケ調のアレンジが施された中盤の展開が秀逸で、当時としてはかなり革新的な1曲。
  • 「Now’s The Time」
    アップテンポでキャッチーながら、反戦のメッセージを内包した政治的ガレージロック。コーラスの強さとバンドの一体感が光る。
  • 「You Can Live In Our Tree」
    アシッド・フォーク的な優しさと内省性に満ちたトラック。アルバム中でもっともサイケ色が強く、ストリングスやエコーの使い方が実験的。
  • 「Twist and Shout」
    原曲のR&B感を保ちつつも、彼ら独自のフォーク・ロック寄りのアレンジでカバーされた一曲。ガレージ感のある粗削りなサウンドと、エネルギッシュなボーカルが魅力で、60年代中西部シーンならではの骨太なローカル色が光る。定番曲に新たな表情を与えた好演だ。

アルバム総評

『The Blue Things (Expanded)』は、ただの発掘音源ではない。60年代中期の米国中西部アンダーグラウンドの優れたドキュメントであり、フォークとガレージ、そしてその先にあるサイケの断片を体感できる重要作品だ。今聴いても古びないメッセージと、瑞々しい演奏力。エクスパンデッド版によって、彼らの音楽的レンジと可能性がより鮮明になった。サイケ・フォーク・ガレージを愛するすべての人に推薦したい、歴史の陰で輝いていた傑作である。

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