1981年の結成以来、アメリカにおけるスカ・ムーブメントの先駆者として走り続けてきたThe Toasters。彼らが活動20周年を節目にリリースしたベスト・アルバム『In Retrospect』は、まさにニューヨーク・スカ(NY Ska)の歴史そのものを凝縮した一枚です。イギリスの2-Toneブームをアメリカの土壌で進化させ、独自のサウンドを確立した彼らの、初期から円熟期までの代表曲が網羅されています。これからスカを聴き始める方にとっても、長年のファンにとっても、彼らの情熱と功績を再確認できる最高の一枚と言えるでしょう。
⬇️アマゾンミュージックで『In Retrospect』をチェック⬇️
ジャンルと音楽性
本作の核となるジャンルは「サード・ウェーブ・スカ」の源流とも言えるニューヨーク・スカです。イギリスの2-Tone(スペシャルズやセレクターなど)からの強い影響をベースにしつつ、そこにパンクのエネルギー、ジャズの即興性、そしてニューヨークらしい都会的でドライな感覚をミックスしています。 重厚なホーンセクションと、裏打ちの効いた軽快なギターカッティング、そしてキャッチーなメロディラインが特徴です。単に明るく楽しいだけでなく、どこかクールで知的なストリートの空気感を纏っているのが彼ら独自の魅力です。
おすすめのトラック
このアルバムの中から、バンドの多才さを象徴する5曲をピックアップしました。
- 「Weekend in L.A.」 ライブでの定番中の定番であり、疾走感あふれるリズムとキャッチーなホーンが、聴く者すべてをダンスフロアへと誘う初期の名曲です。
- 「2-Tone Army」 彼らのアイデンティティを象徴するアンセムです。力強いコーラスと行進曲のような力強さがあり、スカという文化への深い愛情と誇りが感じられます。
- 「Don’t Let the Bastards Grind You Down」 社会的なメッセージを含みつつも、極めてポップで踊れるサウンドに仕上げられた一曲です。サビのフレーズは一度聴くと頭から離れません。
- 「East Side Beat」 都会的でクールなインストゥルメンタルに近い雰囲気を持ち、ホーンセクションのキレの良さと、バンドの卓越した演奏技術が存分に堪能できる楽曲です。
- 「Talk Is Cheap」 スカ・パンクに近い攻撃性と、レゲエ的なゆったりとしたグルーヴが同居しており、彼らが多様なリズムを自在に操れることを証明しています。
アルバム総評
『In Retrospect』は、単なるヒット曲の寄せ集めではなく、The Toastersがアメリカの音楽シーンにおいていかに重要な役割を果たしてきたかを物語る歴史的な資料とも言えます。20年という長い年月の中で、彼らが一貫して守り続けた「スカへの誠実さ」と、常に新しい音を追求する「遊び心」が見事に融合しています。どの曲をとってもクオリティが高く、時代が変わっても決して古びることのない、スカ・ミュージックの教科書のような名盤です。



