No Doubt『Push and Shove』
2012年にリリースされた『Push and Shove』は、No Doubtにとって2001年の『Rock Steady』以来、実に11年ぶりとなる復活作です。フロントウーマン、グウェン・ステファニーの華々しいソロ活動を経て、再び4人の個性がぶつかり合った本作は、バンドの過去をなぞるのではなく、2010年代のモダンなポップ・サウンドへと大胆に舵を切った野心作として知られています。
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ジャンルと音楽性
本作の核にあるのは、煌びやかな「シンセ・ポップ」や「ニュー・ウェイヴ」の影響です。初期のパンクやスカの要素は影を潜め、代わりにプロデューサーのディプロやマーク・スパイク・ステントらが手掛けたエレクトロニカ、そしてダンスホール・レゲエのグルーヴが支配しています。非常にクリーンで洗練されたデジタル・プロダクションが施されており、バンドという枠組みを超えた現代的なポップ・アルバムに仕上がっています。
おすすめのトラック
- 「Settle Down」 アルバムの幕開けにふさわしい、ダンスホール・レゲエ調のリズムが心地よい一曲です。複雑に編み込まれたパーカッションとグウェンの独特な歌唱が絡み合い、バンドの成熟したポップ・センスを証明しています。
- 「Push and Shove (feat. Busy Signal & Major Lazer)」 メジャー・レイザーとBusy Signalを迎えた、アルバム中最も挑戦的なトラックです。急激なテンポチェンジや強烈なシンセ・ベースが特徴で、ロック・バンドとしての境界線を押し広げるような実験精神に溢れています。
- 「Looking Hot」 80年代のニュー・ウェイヴを21世紀仕様にアップデートしたような、疾走感のあるダンス・ナンバーです。シンセサイザーの旋律が美しく、グウェンのファッション・アイコンとしてのオーラがそのまま音になったような華やかさがあります。
- 「One More Summer」 切なさと高揚感が同居する、スタジアム・アンセム級のポップ・チューンです。開放感のあるサビのメロディは、かつてのNo Doubtが持っていた親しみやすさを、より大人びたエレガントな形で表現しています。
アルバム総評
『Push and Shove』は、単なる「再結成アルバム」という枠に収まらない、非常に高い完成度を誇るエレクトロ・ポップ・アルバムです。かつてのスカ・パンクのイメージを期待すると驚くかもしれませんが、そこには時代の空気を鋭敏に察知し、自らをアップデートし続けるアーティストとしての誠実さがあります。グウェンの表現力豊かな歌声と、デジタル・ビートが融合したこのサウンドは、今聴いても全く色褪せない輝きを放っています。



