Punk/SkaPunk/Garage

オール・タイム・ロウが描く、傷だらけで最高な“何でもない日々”の記憶! 『Nothing Personal (Deluxe)』で蘇る、リマスター音源と新たな息吹をまとい、青春の痛みと解放が今ここに鳴り響く

2009年にリリースされたAll Time Lowの『Nothing Personal』は、ポップパンク界の金字塔ともいえる作品です。キャッチーなメロディとシニカルなリリック、若さゆえの衝動が詰まったサウンドは、当時の10代・20代の心を掴んで離しませんでした。そしてこの『Nothing Personal (Deluxe)』は、オリジナルに加えて未発表トラックやアコースティックバージョン、再録音などを収録したファン必携の決定版。あの頃の感情を鮮やかにフラッシュバックさせる1枚です。
House/Electronic

80年代ニューウェイヴのただ中で誕生した、シンセポップという枠を越えたアートロックとしての到達点!オーケストラル・マヌーヴァーズ・イン・ザ・ダークの『Architecture & Morality』は、静謐でありながら心の奥底を揺さぶる“建築された感情”の結晶だ

1981年にリリースされたOrchestral Manoeuvres in the Dark(OMD)の3rdアルバム『Architecture & Morality』は、シンセポップというジャンルの枠を越え、芸術的実験性とポップ・センスを両立させた、彼らの代表作とも言える名盤だ。教会音楽のような神聖さと、冷ややかな電子音が絶妙に混ざり合い、80年代のニュー・ウェイヴシーンにおいて異彩を放ったアルバムである。
Rock/Alternative

エイウォルネイションが『The Phantom Five』で描き出すのは、希望と絶望の狭間を彷徨う“ファントムたち”の物語。エレクトロとロックが融合した緊張感あふれるトラック群は、リスナーをどこまでも高揚させる

異端と情熱の電撃融合。AWOLNATIONが2024年にリリースした『The Phantom Five』は、バンドのアイデンティティとも言えるエレクトロ・ロックの核を保ちつつ、よりシネマティックでダークな世界観に深化した最新作だ。ポストパンキッシュなエネルギーとダンスビートの高揚感がせめぎ合うこの作品は、まさに幻影のように姿を変えながら聴き手を翻弄し、魅了する。
Pop/Soul/Jazz

ヴァンス・ジョイが『In Our Own Sweet Time』で紡ぎ出すのは、時間や距離に縛られない“ふたりだけの物語”。アコースティックなぬくもりと繊細な言葉が、あなたの日常にそっと寄り添う

オーストラリアのシンガーソングライター、Vance Joy(ヴァンス・ジョイ)が2022年にリリースした『In Our Own Sweet Time』は、パンデミックによって変わりゆく日常の中で、「愛」や「つながり」がいかに人を支えるかを優しく描いた作品です。3作目となるこのアルバムは、どこか懐かしく、同時に現代的なポップ・フォークのサウンドを通して、温もりと希望を丁寧に編み上げています。
House/Electronic

イエローの『Stella』は、スイスの電子音楽デュオが放つ、冷たくも艶やかなサウンドの洪水!機械仕掛けのビートと官能的なボーカルが織りなす、80年代エレクトロ・ポップの最前線を更新したアルバム

スイス出身の電子音楽デュオ、Yello(イエロー)が1985年にリリースした4枚目のアルバム『Stella』は、彼らにとって大きな転機となった作品だ。初めて世界的な成功を収めたこのアルバムは、エレクトロニカの斬新な可能性を提示しながらも、どこかポップで親しみやすい仕上がり。奇抜なサウンドと洗練されたプロダクションが融合した本作は、今なお80年代電子音楽の代表格として高く評価されている。
Pop/Soul/Jazz

グルーヴと魂が交差する、時代を超えるファンクの宇宙!アース・ウィンド・アンド・ファイアーの『Raise!』は、ディスコの余韻をまといながら、煌びやかで力強いサウンドの旅路

1981年にリリースされたEarth, Wind & Fireのアルバム『Raise!』は、バンドの黄金期を彩る名作のひとつ。ディスコブームが下火になりつつあった時代に、ソウル、ファンク、R&Bを融合させた洗練されたサウンドで、音楽シーンに確かな存在感を放った。モーリス・ホワイト率いるバンドのクリエイティブなエネルギーと、壮大なサウンドスケープが詰まった一枚だ。
Pop/Soul/Jazz

ザカリー・ノウルズの『tendency to be a loner』は、 孤独という静かな居場所で、自分と向き合いながら見つける”やさしい音の灯火”。寂しさを否定せず、言葉にならない心のざわめきをそっと抱きしめる、夜のためのポップソウル

Zachary Knowlesの『tendency to be a loner』は、静かに心を打つエモーショナルなアルバムだ。孤独、自己内省、そして繊細な心の揺れをテーマに、ミニマルでメロウなサウンドが展開される本作は、現代のBedroom PopとLo-fi R&Bを美しく融合させた作品に仕上がっている。誰かに話すほどでもない孤独や思いを、そっとすくい上げてくれるような優しいトーンが全編に漂う。
House/Electronic

YMOの『テクノデリック』は、音楽の未来を一足先に紡いだ革新的な一作!無機質なシンセ、反復のリズム、そして社会的メッセージを紡ぎ出すそのサウンドは、80年代の限界を超えて、テクノとエレクトロニカの礎を築いた金字塔

1981年にリリースされたYELLOW MAGIC ORCHESTRA(YMO)の『テクノデリック』は、バンドの音楽的転換点を象徴するアルバムであり、当時の音楽シーンにおけるテクノポップの概念を大きく拡張した革新的な作品です。コンピュータ制御によるサンプリングやシーケンスが大胆に導入され、より実験的でミニマルなアプローチが追求されたこのアルバムは、後のエレクトロニカやテクノの潮流を先取りするかのような先見性を放っています。
House/Electronic

エックス・コーストの『Pianissimo』は、90年代レイヴカルチャーの熱気と、ミニマルでメロウな空気感を現代に再構築した、“静寂”と“昂揚”が共鳴するエモーショナル・クラブサウンドの旅

セルビア出身のプロデューサーX-Coastによるアルバム『Pianissimo』は、そのタイトルが示すように、音楽の“静寂”や“繊細さ”をテーマにしつつも、クラブカルチャーの熱気を巧みに内包した作品だ。ラフでレイヴィーなイメージが強かった彼のサウンドが、今作ではより洗練され、音の重なりや余白にこだわった構築美を見せている。90年代ハウス、アンビエント、ブレイクビーツ、UKガラージのエッセンスを取り入れ、繊細なピアノフレーズとタフなリズムの対比が印象的だ。
Rock/Alternative

ワロウズが『Model』で描き出すのは、青春の終わりと大人へのはじまり、その曖昧で不安定な瞬間を見事に音像化した、時間と心を超えて響くオルタナティブ・ドリームの集大成

ロサンゼルス発のインディー・ロック・バンド、Wallowsが2024年にリリースした3作目のアルバム『Model』は、バンドの成熟と実験精神が見事に融合した一枚だ。かつてのギターポップ中心のサウンドから一歩踏み出し、80年代のシンセポップや90年代のオルタナティヴロックを咀嚼しながら、現代の感性で再構築したサウンドが詰まっている。恋愛の機微、不安、そして自己認識の葛藤を描いたリリックが、ノスタルジックでありながらもフレッシュに響く作品に仕上がっている。