Punk/SkaPunk/Garage

調和を拒み、秩序を壊し、言葉すらノイズに変える!デブリスが描いた『Static Disposal』は、誰にも理解されなかった時代にこそ鳴るべきだった、破壊と自由のアンセムである

1970年代アメリカのオクラホマから突如現れたバンドDebris。彼らの唯一のアルバム『Static Disposal』は、パンクの胎動とノイズの混沌を封じ込めた、“先駆けすぎた前衛”の記録だ。発表当時(1976年)は無視され、幻と化した本作だが、80年代以降のノイズ、ポストパンク、インダストリアルに多大な影響を与えたとされ、今や“パンク以前のパンク”と呼ばれるカルト作として再評価されている。混乱、皮肉、非構造の美学——『Static Disposal』は、どこまでも歪でありながら、どこか崇高なまでに自由だ。
Rockabilly/Psychobilly

ザ・シャークスが送るサイコビリーの金字塔、『Phantom Rockers』は、疾走感溢れるスラップベース、荒々しいギターリフ、エネルギッシュなボーカルでサウンドを完成させた傑作アルバム!

1983年にリリースされたThe Sharksの『Phantom Rockers』は、サイコビリーの黎明期を象徴するアルバムのひとつです。ロカビリーのルーツを持ちながらも、パンクの攻撃的なエネルギーを融合させたこの作品は、ジャンルの発展に大きな影響を与えました。スラップベースの躍動感、疾走感のあるギター、そして荒々しいボーカルが絡み合い、独特の世界観を作り上げています。リリースから数十年が経った今でも、その魅力は色褪せることなく、多くの音楽ファンを惹きつけています。
Rockabilly/Psychobilly

サムシング・ショッキングが放つアルバム『Pink』は、グリースの香りに血のしぶきをまぜたサイコビリーの革命劇!ピンクの口紅の裏で鳴るのは、愛と恐怖と美学のパンクロックだ

イギリスのアンダーグラウンドから飛び出した、サイコビリー・シーンの異端児Something Shockingは、ホラーパンクの猥雑さとロカビリーの原始的エネルギーを軸に、ゴスやグラムの要素をぶち込んだ独自のスタイルで注目されてきた4人組。『Pink』は、1991年に発売された唯一のアルバムです。女性ボーカルのVanessaの歌声とポップでパンクなサウンドが特徴です。1950年代のロカビリーを基調にしながら、サーフロック的ギター、スラップベース、スクリーム混じりのボーカルといった要素を取り入れ、どこかシアトリカルなステージングも魅力だ。
House/Electronic

ベースとパーカッションが紡ぐ原始のダンスグルーヴ——リキッド・リキッドのセルフタイトルアルバム『Liquid Liquid』!ポストパンクを超えてあらゆる音楽ジャンルを横断する、時間と空間を超えたアヴァンギャルドなリズムの旅

Liquid Liquidは、1980年代初頭のニューヨークを拠点に活動したポストパンク/ダンス・パンクの伝説的バンドだ。そのセルフタイトルのアルバム『Liquid Liquid』は、もともとEPとしてリリースされた複数の音源をまとめたコンピレーション的な内容で、バンドの短命ながらも強烈な軌跡を刻む重要な作品だ。
Pop/Soul/Jazz

ロッキー・シャープ&ザ・リプレイズの『Shout! Shout!』は、1950年代ドゥーワップへの愛をたっぷり詰め込んだ、エネルギッシュでポップなヴォーカル・アルバム!誰の心にも笑顔とリズムを運んでくれるタイムレスな傑作です

1978年にデビューしたイギリスのボーカル・グループ、Rocky Sharpe & The Replays。彼らは、アメリカ発祥のドゥーワップやロックンロールを、英国のポップセンスで再構築することで1970〜80年代の音楽シーンに一石を投じた。そんな彼らの代表作とも言えるのが、今回紹介するアルバム『Shout! Shout!』である。
Punk/SkaPunk/Garage

切実な恋と心の不安定さを、甘くて鋭いメロディとパンクの疾走感で包み込んだバズコックスの傑作『Singles Going Steady』は、70年代UKパンクの洗練と衝動を同時に体現した、永遠に色あせない青春の叫び

イギリスのパンク・ロックを語るうえで欠かせない存在、Buzzcocks。その代表的なコンピレーション・アルバム『Singles Going Steady』(1979年リリース)は、彼らのシングル曲を時系列順に収めた、まさにバズコックスの魅力を一望できる決定版です。このアルバムはパンクの攻撃性と、ポップスの親しみやすさを絶妙にブレンドし、「メロディック・パンク」というジャンルを先取りした存在でもあります。
Reggae/Ska

『Jamaican Ska Recovered』は、ジャマイカン・スカの黄金時代を鮮やかに再構築した、リズムと情熱が脈打つコンピレーション!現代のスタジオ録音で蘇ったトラックの数々が、スカの魅力を再確認させてくれる珠玉の一枚

スカのルーツに深く根差しながらも、新たなアレンジと現代の息吹を加えたコンピレーションアルバム『Jamaican Ska Recovered (Studio Recording)』は、ジャマイカ音楽の黄金時代を鮮やかにリフレッシュした意欲作だ。オリジナルのスカに敬意を払いながら、スタジオ録音によって再構築されたトラックは、懐かしさと新鮮さを兼ね備えている。
Rockabilly/Psychobilly

泥酔した夜に響く破天荒ロックンロール!バーンヤードボーラーズの『Nudie Bar Blues』は、カントリー、サイコビリー、そして下世話なユーモアが絶妙に混ざり合う、誰にも真似できない混沌の傑作アルバム!

Barnyard Ballersのアルバム『Nudie Bar Blues』は、サイコビリー/カウビリー/ロカビリーのカオスな融合によって生まれた、まさに“下世話で最高に楽しい”痛快アルバムだ。彼らの楽曲は常にブラックユーモアと酒場の喧騒、アンダーグラウンドな陽気さに満ちており、このアルバムでもその本質が炸裂している。
Rockabilly/Psychobilly

フランティック・フリントストーンズの『Rockin’ Out & Not Christmas Album』は、常識を蹴飛ばす陽気で破天荒なロカビリー・パーティー!全編にわたって弾けまくるサウンドとユーモアで、季節も気分もすっ飛ばす痛快な一枚!

Frantic Flintstonesは1980年代後半から活動を続けるイギリス発のサイコビリーバンドであり、その名に恥じぬ破天荒でハイエナジーなサウンドを武器に、ヨーロッパを中心にカルト的な人気を誇ってきました。そんな彼らの異色にして注目すべきアルバム『Rockin' Out & Not Christmas Album』は、そのタイトル通り「クリスマスアルバムじゃない」とわざわざ断言するユーモアとアイロニーに満ちた作品ですが、その中身はFrantic Flintstonesらしいグリースまみれのロカビリー魂と、時折顔を覗かせるポップセンスの融合体です。
Rockabilly/Psychobilly

サイコビリーの深淵から這い出たヘルビリーズの『Torture Garden』は、血と汗と狂気が交錯する地獄の花園!鋭利なギター、猛り狂うリズム、魂を削るようなシャウトが交錯する、暴力的でありながら美しさすら感じさせる異形のサウンド体験

アメリカ・カリフォルニア発のサイコビリー・バンド、Hellbillys(ヘルビリーズ)が放つ『Torture Garden』は、そのタイトルが示すとおり、退廃的で暴力的、そしてどこかブラックユーモアを帯びた“拷問の庭”のような作品です。バンドが築き上げてきたダーティで過激な音楽性が凝縮され、パンクとロカビリー、さらにはホラー映画的な美学が激しくぶつかり合うアルバムとなっています。
タイトルとURLをコピーしました