A.W.O.L.の『Tear’Em To Bits』は、アグレッシブで怒涛の勢いを持つハードコア・アルバムです。冒頭から最後まで突き刺さるような攻撃性が維持されており、粗削りな衝動と重厚なサウンドが常にぶつかり合います。短くも強烈な楽曲が連続し、リスナーは息つく間もなくバンドの放つ爆発的エネルギーに巻き込まれます。ハードコア黎明期の生々しさを残しつつ、A.W.O.L.らしい重さと鋭さを併せ持つ、熱量の高い一枚です。
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ジャンルと音楽性
本作はストレートなハードコア・パンクを軸に、メタリックなギターの厚みやタイトなリズムが特徴となっています。切り裂くようなギターリフ、強靭なドラミング、そして圧を帯びたボーカルが三位一体となり、全曲において怒涛の推進力を生み出しています。曲が短く疾走感が強いにもかかわらず、それぞれに鮮烈なフックがあり、単なる勢いだけでは終わらない構成力が光ります。無骨で泥臭いサウンドを好むハードコアファンに刺さる、濃密な作品です。
おすすめのトラック
・「Tear’Em To Bits」
アルバムの中心に位置するタイトル曲で、重いリフと爆裂するスピード感が特徴です。まさにアルバムを象徴する一撃です。
・「AWOL」
鋭利なギターと荒々しいボーカルが絡み合う、バンドの代表的なハードコアナンバーです。畳みかけるような展開で、攻撃性が極限まで高められています。
・「Oblivion」
前へ進み続ける推進力を持ちながら、どこか哀愁も漂わせる一曲です。サビの叫びが強烈な印象を残し、ライブ映えしそうな熱量が詰まっています。
・「Fall From Grace」
緊張感あふれるリフと鋭いシャウトが、張り詰めた空気を生み出しています。短いながらも高密度で、息をつかせない緊迫感があります。
アルバム総評
『Tear’Em To Bits』は、A.W.O.L.の魅力である攻撃性と無骨さを最大限に引き出したハードコア作品です。全体を通して衝動と緊張感が途切れる瞬間がなく、純度の高いハードコアのエネルギーを体感できます。それぞれの曲に個性がありながらも統一感があり、アルバムとして非常にまとまりが良い仕上がりです。ハードコアの持つ狂気と熱量を強烈に浴びたい方に、とてもおすすめできる一枚です。



