理屈を黙らせる爆音のレイヤー。2024年、ザ・ヴァッチャー・ブラザーズが鳴らすのは、過去の遺産ではなく、現在進行形のロック・スピリットだ
かつての「ジャングリーなポップ職人」というイメージを、彼ら自らが完膚なきまでに破壊しました。2024年の最新作『Defenders of the Ionosphere』で聴けるのは、これまでの洗練をあえて「歪み」でコーティングしたような、攻撃的でエモーショナルなサウンドです。
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ジャンルと音楽性
今作の核心は、重厚に塗り重ねられたギター・サウンドにあります。 60年代風の爽やかさは影を潜め、フィードバック・ノイズや荒々しいピッキング、そして地を這うようなボトムの太さが支配しています。「サイケ・ポップ」という言葉では収まりきらない、シューゲイザーにも通じる圧倒的な音圧と、ロック本来のダイナミズムが融合。まさに「電離層の守護者」というタイトルに相応しい、宇宙的なスケール感を持つロック・アルバムへと昇華されています。
おすすめのトラック
- 「I’m So Happy」 冒頭から聴き手を圧倒する、歪んだギターリフが炸裂します。「ハッピー」という言葉の裏にある狂気や熱量を、凄まじいドライブ感で叩きつけるキラーチューンです。
- 「I Never Seen That Coming」 不穏なベースラインから一気にカタルシスへ向かう、予測不能な展開。緻密な構成をあえてラフな演奏で崩すような、ロック特有の「危うさ」がたまりません。
- 「A New Tomorrow」 スタジアム・ロックを彷彿とさせる壮大なアンセム。希望を歌いながらも、その音像はどこまでも重く、鋭く、聴く者の胸を貫きます。
- 「What He Do」 これぞロックンロールと言わんばかりのタイトなリズムセクション。無駄な装飾を削ぎ落とした、筋肉質のアンサンブルが堪能できます。
- 「Defenders of the Ionosphere」 全ての音が溶け合い、銀河の果てまで突き抜けるような圧巻のオープニング。彼らが単なるポップ・バンドではないことを証明する、魂の咆哮です。
総評
『Defenders of the Ionosphere』は、甘いメロディに安住することを拒絶したザ・ヴァッチャー・ブラザーズの「覚醒」の記録です。2024年という時代に、あえて肉体的なロックの衝撃を選んだ彼らの決断は、全ロック・リスナーの血を沸騰させるに違いありません。



