Catatonia『Equally Cursed and Blessed』
1990年代のウェールズ・ロック・シーン(クール・キムリック)の象徴的存在であったカタトニアが、1999年にリリースした3枚目のフルアルバム『Equally Cursed and Blessed』。全英1位を記録した前作『International Velvet』の成功を受け、より洗練されたメロディと深みを増した歌詞世界が展開されています。フロントウーマン、ケリス・マシューズの個性的でハスキーな歌声が、バンドの黄金期を象徴するサウンドと共に響き渡る一枚です。
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ジャンルと音楽性
本作のジャンルは、ブリットポップの文脈を引き継ぎつつも、よりオーケストラルでドリーミーな要素を加えた「オルタナティヴ・ポップ/ロック」です。前作までのパンキッシュな勢いは影を潜め、代わりにストリングスを多用した豪華なアレンジや、カントリー、ラウンジ・ミュージックのニュアンスが取り入れられています。皮肉めいた知的な歌詞と、どこかノスタルジックで甘美なメロディのコントラストが、アルバムタイトル通り「呪いと祝福」が共存する独特の空気感を作り出しています。
おすすめのトラック
- 「Dead From The Waist Down」 アルバムを象徴する先行シングル。壮大なストリングスとケリスの気だるげなボーカルが絡み合う、気高くも切ないバラードです。
- 「Londinium」 都会での孤独や狂気を感じさせる、少しダークでサイケデリックな雰囲気を持つ楽曲。バンドの音楽的幅の広さを感じさせます。
- 「Karaoke Queen」 カタトニアらしいポップセンスが爆発した一曲。皮肉の効いた歌詞と、一度聴いたら忘れられないキャッチーなサビが非常に魅力的です。
- 「Road Rage」 本作の米国盤などにも収録された、バンドのキャリアを代表する大ヒット曲。力強いギターリフと、エモーショナルに歌い上げるケリスのボーカルが圧巻です。
- 「Post Script」 アルバムの序盤を飾る、静かでありながらも力強い余韻を残すトラック。聴き終えた後に深い満足感と少しの感傷を与えてくれます。
アルバム総評
『Equally Cursed and Blessed』は、カタトニアが単なる「ブリットポップ・バンド」という枠を超え、一つの完成されたポップ・ミュージックの形を提示した作品です。ケリス・マシューズという稀代のアイコンが持つ「危うさ」と「強さ」が、バンドの円熟した演奏によって見事にパッケージングされています。リリースから20年以上が経過した今でも、本作が持つ孤独感や優しさは色褪せることがありません。90年代のUKロックを愛する人はもちろん、良質な女性ボーカル・ポップスを探しているすべての人に聴いてほしい、ウェールズが誇る至宝の一枚です。



