The Charlatans『Melting Pot』
『Melting Pot』は、1990年代の英国ロックシーンを牽引したザ・シャーラタンズが、ベガーズ・バンケット・レーベル時代に遺した名曲を網羅したベスト・アルバムです。1990年のデビューから1997年までの彼らの歩みを追体験できる本作は、単なるヒット曲集ではありません。キーボーディスト、ロブ・コリンズの急逝という悲劇を乗り越え、サイケデリアからグルーヴィーなロックへと進化を遂げた彼らのアイデンティティが、この一枚に鮮やかに刻まれています。
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ジャンルと音楽性
本作のジャンルは、マッドチェスターの残り香を纏った「インディー・ダンス」から、ソウルフルで伝統的な「ブリットポップ/UKロック」へと跨がっています。最大の特徴は、唸るようなハモンド・オルガンの音色と、タイトなリズム隊が生み出す圧倒的なグルーヴ感です。60年代のサイケデリック・ロックやソウル・ミュージックへの敬愛を感じさせつつも、ティム・バージェスの気だるくも甘いボーカルが、それを極めてモダンな90年代のサウンドへと昇華させています。
おすすめのトラック
- 「The Only One I Know」 ハモンド・オルガンのリフが炸裂する、彼らを一躍スターダムに押し上げた記念碑的デビュー曲です。マッドチェスター・ムーブメントの象徴的な一曲であり、今なおフロアを揺らす魔法のグルーヴを持っています。
- 「Then」 1stアルバム『Some Friendly』収録。波打つようなハモンドの旋律とサイケデリックな陶酔感が同居する名曲です。ダンスビートを強調しつつも、どこか切なさを感じさせる旋律が当時のUKインディーシーンの熱量を伝えてくれます。
- 「Can’t Get Out of Bed」 1994年のアルバム『Up to Our Hips』からの一曲で、瑞々しいメロディと軽快なギターが印象的なポップ・ナンバーです。ティムのボーカルの魅力が最大限に引き出されており、彼らのソングライティングの幅広さを証明しています。
- 「One to Another」 全英3位を記録した、彼らのキャリア史上最もパワフルなアンセムの一つです。ケミカル・ブラザーズの影響も感じさせる重厚なドラム・ビートと、うねるようなベースラインが、ロックとダンス・ミュージックの完璧な融合を見せてくれます。
アルバム総評
『Melting Pot』は、ザ・シャーラタンズという稀有なバンドが、いかにして英国ロックの「定番」としての地位を確立したかを教えてくれる名盤です。流行に左右されないタフなリズムと、エモーショナルな旋律が同居する彼らの音楽は、発表から30年近く経った今でも全く色褪せていません。ブリットポップの狂乱を通過しながらも、常に「自分たちのグルーヴ」を追求し続けた彼らの誠実さが、この「メルティング・ポット(人種のるつぼならぬ、音楽の融合体)」の中に凝縮されています。



