2020年にリリースされたハイムのサードアルバム『Women In Music Pt. III』は、ジャンルの垣根を越えた大胆なサウンドと、パーソナルなテーマを重ねた作品です。姉妹トリオである彼女たちは、このアルバムで個々の経験や感情を深く掘り下げ、これまで以上に感情的で深みのある音楽を作り上げました。
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ジャンルと音楽性
このアルバムのジャンルを一言で説明するのは難しいですが、インディーロックを軸に、ポップ、フォーク、R&B、さらにはジャズやソウルの影響を巧みに取り入れています。彼女たちは、それぞれのジャンルをシームレスに融合させる才能を発揮し、聴くたびに新たな発見があるような多層的なサウンドを実現しました。
アルバム全体を通じて、明確なテーマの一つとして「再生」が浮かび上がります。HAIMのメンバーは、制作過程で精神的な苦悩や健康問題、個人的な喪失などを経験しており、そのすべてが音楽に反映されています。同時に、彼女たちはユーモアや軽やかさも忘れず、リスナーに親しみやすさを提供しています。
おすすめの楽曲
- 「The Steps」
ロック色が強く、アコースティックギターとリズミカルなビートが特徴的。歌詞には、自己肯定と葛藤が描かれ、HAIMらしい開放感があります。 - 「I Know Alone」
静かなエレクトロニックビートが印象的な曲。孤独感や内面的な感情が繊細に表現されており、アルバムの中でも特に心に響くナンバーです。 - 「Don’t Wanna」
80年代風のポップな雰囲気をまとった楽曲。シンプルでキャッチーなメロディが際立ち、リスナーを引き込む力があります。 - 「Summer Girl」
ジャズの影響を感じる軽やかな一曲。自由なサックスの音色が新鮮で、アルバムのトーンを優しく締めくくる役割を果たしています。 - 「Hallelujah」
フォーク調の美しいバラードで、姉妹愛や感謝の念が込められた感動的な一曲です。 - 「Now I’m In It」
エネルギッシュなビートが印象的で、困難な時期を克服する力強さが感じられます。
アルバムの意義
『Women In Music Pt. III』は、タイトルからもわかる通り、音楽業界における女性アーティストとしての位置づけを皮肉を込めて表現しています。しかし、それはただのメッセージ性にとどまらず、個々の楽曲が示す感情的な深さやサウンドの豊かさによって、アーティストとしての成熟を証明しています。
また、アルバム全体には「変化を受け入れながら前進する」というテーマが貫かれており、リスナーに励ましと共感を与える作品となっています。
まとめ
『Women In Music Pt. III』は、HAIMの音楽的な進化とパーソナルな旅を象徴するアルバムです。ジャンルを超えた自由な音楽性と感情の深さが、リスナーを魅了し続けています。彼女たちのこれまでのキャリアを知るファンはもちろん、新しいリスナーにとっても感動を与える一枚です。