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ウッドベースのスラップは情熱的な暴力、ギターリフは切れ味鋭い純粋な衝動! デューズ・ワイルドの『Brutal Purity』は、80’sネオ・ロカビリーの熱狂と、ブルースの深みが野獣のように融合した、アグレッシブにしてメロディックな傑作

rockabilly Rockabilly/Psychobilly
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イギリスのネオ・ロカビリー・シーンから登場したDeuces Wildが、1989年にリリースしたアルバム『Brutal Purity』は、当時のネオ・ロカビリー・ムーブメントの熱狂を見事に捉えた一枚です。アルバム名は「ブルータル(残忍な、荒々しい)な純粋さ」を意味し、その名の通り、オールドスクール・ロカビリーへの純粋な愛情と、それを80年代のパンク・エッセンスで再構築した荒々しいエネルギーが同居しています。Stray CatsRestlessといった先行バンドの影響を受けつつも、ブルースやジャズの要素を巧みに取り入れ、単なるフォロワーではない独自の音楽的深みを提示しました。タイトなリズムと切れ味鋭いギターが特徴のこのアルバムは、80年代ネオ・ロカビリーを語る上で欠かせない傑作の一つとして評価されています。

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Amazon.co.jp: Brutal Purity : Deuces Wild: デジタルミュージック
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ジャンルと音楽性

Deuces Wildの音楽性は、ネオ・ロカビリーを核としつつ、その枠に収まらない多様性を持っています。中心となるのは、高速なテンポと、ウッドベースによる激しいスラップ奏法、そしてモダンなアンプを通したシャープなギター・サウンドです。しかし、彼らの真骨頂は、コークラン(Eddie Cochran)やブライアン・セッツァーといった偉大な先達からの影響を消化しつつ、ブルースやスウィング・ジャズの要素を大胆に導入している点にあります。

特に、タイトなリズム・セクションが生み出すグルーヴは非常に安定しており、単なるスピード狂のバンドとは一線を画します。ヴォーカルは、時にThe Quakesのポール・ローマンを思わせるような、エッジの効いたトーンを持ちながら、ブルース的な楽曲では感情豊かな表現力を発揮します。この「ハードなロカビリー」と「深みのあるブルース」のブレンドこそが、『Brutal Purity』を単なる時代物で終わらせない、高い音楽的評価を得た要因となっています。

おすすめのトラック

  • 「Brutal Purity」
    アルバムのタイトル・トラックであり、バンドのサウンド・コンセプトを最も端的に示しています。猛烈なテンポで突き進む疾走感と、野蛮なまでのエネルギーが特徴。RestlessやStray Catsの初期の攻撃的な楽曲を彷彿とさせますが、タイトな演奏力とキャッチーなリフが、楽曲にモダンな魅力を加えています。ネオ・ロカビリーのフロアを熱狂させる、爆発的なキラーチューンです。
  • 「Blues So Bad」
    アルバムの中のハイライトの一つであり、バンドのブルースへの深い傾倒を示す楽曲です。ロカビリーのエネルギーを保ちつつも、ジャジーで気だるいブルースのフィーリングが強く出ています。ウッドベースのウォーキング・ラインと、ブルージーなギター・ソロが、それまでの荒々しい楽曲群とは異なる、成熟した大人のムードを醸し出しています。
  • 「Diamonds At Her Feet」
    アコースティックな響きを持つ、スキッフル(Skiffle)に近いスタイルの楽曲で、このアルバムの意外な多様性を感じさせます。速弾きや大音量に頼らず、純粋なロカビリー・フィーリングとストーリーテリングに焦点を当てています。後のネオ・ロカビリー・バンドではあまり見られない、ルーツ・ミュージックへの敬意が感じられる、聴きごたえのあるナンバーです。
  • 「Just Alright」
    アルバムのオープニングを飾るこの曲は、彼らの持つポップなメロディ・センスが光っています。比較的ストレートなネオ・ロカビリー・ロックンロールですが、キャッチーなコーラスと、勢いのある演奏が一体となり、聴き手を一気に彼らの世界観に引き込みます。80年代のネオロカらしいモダンな音作りが際立つ一曲です。

アルバム総評

Deuces Wildの『Brutal Purity』は、単なるネオ・ロカビリーの焼き直しではありません。高速でパンキッシュな楽曲群(特に「Brutal Purity」)でフロアを熱狂させつつ、「Blues So Bad」や「Diamonds At Her Feet」のようなブルースやルーツ・ミュージックに根ざした楽曲を配置することで、アルバム全体に奥行きと知性を与えています。

1980年代のネオ・ロカビリー特有のタイトでパワフルな演奏と、モダンなプロダクションが完璧に融合しており、そのサウンドは、当時のシーンにおけるバンドの中でも一歩抜きん出ていました。「荒々しさ」と「純粋な音楽性」が高次元で両立した、ネオ・ロカビリー史における重要作の一つとして、今なお輝きを放ち続けている名盤です。

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