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漆黒のR&Bと泥臭いカントリーが、ロンドンの曇り空の下で激突するナッシュビル・ティーンズの『Tobacco Road』!流行に背を向け、ただ己の衝動を鍵盤と喉に叩きつけた「異端児」たちの、あまりに純粋で暴力的な叫び

Rock Rock/Alternative
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1960年代、ビートルズを筆頭とした「ブリティッシュ・インヴェイジョン」が世界を席巻する中、ひときわ硬派でワイルドなサウンドを鳴らしたバンドがいました。それがザ・ナッシュビル・ティーンズです。本作『Tobacco Road』は、彼らのエネルギッシュなライブ感と、アメリカのルーツ・ミュージックへの深い敬意が結実した傑作です。当時の流行であったキラキラとしたポップなサウンドとは一線を画す、タフで男臭いサウンドが、半世紀以上の時を超えてなお聴く者の心に火を灯します。

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ジャンルと音楽性

彼らの音楽性は、ブリティッシュ・ビートを基盤としながらも、R&B、ロックンロール、そしてカントリーのエッセンスを色濃く反映しています。最大の特徴は、アーサー・シャープとレイ・フィリップスによる迫力満点のツイン・ヴォーカル、そして名手ジョン・ハウィットが叩きつけるように奏でるピアノ・プレイです。プロデューサーのミッキー・モストによる無駄のないタイトなプロダクションが、バンドの持つ攻撃的なアンサンブルを最大限に引き出しています。

おすすめのトラック

・「Tobacco Road」 ジョン・D・ラウダーミルクのカヴァーであり、彼らの名を歴史に刻んだ名曲。重厚なピアノのリフと、地を這うような咆哮が、貧困と再生を歌う歌詞に凄まじい説得力を与えています。

・「Google Eye」 こちらもラウダーミルクの楽曲。軽快なビートの中にも、彼ら特有の「音の重み」が同居しており、バンドとしての完成度の高さを見せつける一曲です。

・「Find My Way Back Home」 疾走感溢れるビート・ナンバー。突き抜けるようなリズムとヴォーカルの掛け合いが、当時のモッズたちを熱狂させたであろう熱量を今に伝えてくれます。

・「Need You」 ヴォーカルのダイナミズムが際立つ一曲。シンプルな構成だからこそ、ドラムとベースのタフなリズム隊がバンドの強固な土台となっていることがよく分かります。

・「Hootchie Kootchie Man」 ウィリー・ディクソンのブルース・スタンダードを、パンキッシュな初期衝動でカヴァー。白人バンドとは思えない泥臭さと、荒々しいエネルギーに圧倒される名演です。

アルバム総評

『Tobacco Road』は、単なるヒット曲集の枠を超え、1960年代の英国青年たちがアメリカの黒人音楽やカントリーをいかに自分たちの血肉として昇華させていたかを物語る金字塔です。彼らのサウンドには、後世のパブロックやガレージロックにも直結する「飾らない本物の格好良さ」が宿っています。洗練されたポップスでは満足できないリスナーにこそ聴いてほしい、生命力と反骨精神に満ちた、ロック史上最も「熱い」一枚と言えるでしょう。

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