Rock/Alternative

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ウォール・オブ・ヴードゥーの『Call of the West』は、電子の荒野を旅するアルバム!ポスト・パンクの知性とニューウェイヴの異化が絶妙に溶け合い、サイケでもシリアスでもない、不思議な浮遊感を漂わせる

1982年にリリースされたWall Of Voodooのセカンド・アルバム『Call of the West』は、ニューウェイヴとアメリカーナが奇妙に交差する独自のサウンドスケープを持った作品です。シンセサイザーとトワンギーなギター、語りかけるようなボーカルが織り成すその音世界は、80年代初期のアメリカの不安と郷愁を映し出しています。中でも代表曲「Mexican Radio」は今なおカルト的な人気を誇り、アルバム全体に漂うダークでサイケデリックな空気が、聴く者を西部の荒野と都市の狭間へと誘います。
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壊れそうな心の奥底から紡がれる、静かで力強い叫び!ヴァガボンの『Persian Garden』は、異郷の記憶と少女の葛藤がローファイ・インディーの音像に乗ってそっと語られる、誠実で親密な“はじまり”の物語

ブルックリンを拠点とするアーティスト、Vagabon(本名:Laetitia Tamko)が2014年に自主リリースしたEP『Persian Garden』は、彼女の内省的で感情豊かな音楽の原点とも言える作品だ。DIY精神と、未完成の中に宿る強い表現意志が重なり、のちの彼女のキャリアに繋がる重要な一歩となっている。フォーク、インディーロック、ローファイな質感が融合したこのEPは、当時のアメリカDIYシーンの一端を感じさせながらも、Vagabon独自の視点で綴られる個人的な物語が印象的だ。
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トーキング・ヘッズが放つ『Fear of Music』は、音楽が社会を映し出す鏡であることを証明する実験的で、そして美しく中毒的なサウンド・ジャーニー!前衛であることに意味を見出したこの名作は、時代を超えて“音”の在り方を問いかける

1979年、ニューヨークのアートロックシーンから放たれたTalking Headsの3rdアルバム『Fear of Music』は、混沌とした都市の不安とテクノロジーの進化に対する驚異を、音楽と歌詞の両面で表現したエッジの効いた傑作だ。前作『More Songs About Buildings and Food』に続き、ブライアン・イーノをプロデューサーに迎え、サウンドはさらに冒険的に、リズムはより複雑に、そして歌詞はパラノイアと知性に満ちていく。
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アール・イー・エムの『Document』は、過剰情報に溢れた80年代後期のアメリカを背景に、冷静かつ情熱的に“今”を切り取った一枚!心地よいギターリフに隠されたメッセージが、今なお耳元で問いかける

1987年にリリースされたR.E.M.の『Document』は、彼らのキャリアにおける重要な転機を象徴するアルバムです。インディーロックから主流への橋渡しを果たし、アメリカン・オルタナティブロックの地盤を固めたこの作品は、バンドの原点を感じさせつつ、メジャーな成功を予感させる完成度を誇っています。
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パシフィカの『Freak Scene』は、傷ついた心をノイズで包み、孤独の中に連帯を見出す、現代オルタナティブ・ロックの新たな希望!混沌と静寂、怒りと優しさ、そのすべてが音になって溶け合う!

新鋭バンドPacificaが放つ『Freak Scene』は、現代オルタナティブ・ロックの新たな地平を切り拓く野心作だ。混沌と秩序、攻撃性と繊細さ、その狭間で鳴り響くサウンドは、まさに“フリークス”たちが生きる世界のサウンドトラック。バンド名が示すように、どこか開放的で、かつ内向的なこのアルバムは、リスナーを“異質であること”の肯定へと誘う。
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衝動、野心、スタイルが火花を散らす!マネスキンが放つ『Chosen』は、ただのデビュー作ではない!イタリアの地下シーンから世界のメインステージへ駆け上がる、次世代ロックスターの“選ばれし瞬間”が、ここに詰まっている!

イタリア出身のロックバンド、Måneskin(マネスキン)が2017年にリリースした『Chosen』は、彼らのキャリアの幕開けを告げるミニアルバムだ。イタリアのオーディション番組『X Factor』でのパフォーマンスをきっかけに注目を集めた彼らが、自信に満ちた姿勢で世界へ向けて放った第一声でもある。荒削りながらも強烈な個性とエネルギーに満ちたこの作品は、まさに“選ばれし者”の名にふさわしいデビュー作だ。
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ジャクソン・ブラウンが『Lawyers in Love』で描き出すのは、風刺と哀愁に満ちたサウンドスケープ。社会的メッセージとメロディの美しさが絶妙に絡み合い、聴く者を静かに揺さぶるロック・アルバムの真髄

1983年にリリースされたJackson Browneの7作目のスタジオアルバム『Lawyers in Love』は、彼のキャリアの中でも転機となる一枚です。70年代の内省的でフォーク・ロック的な作風から、より政治的かつ風刺的な視点を取り入れた作品へとシフト。このアルバムでは、アメリカの社会状況や冷戦下の空気を軽妙なユーモアで包みながらも、深いメッセージを込めたリリックと、ポップ・ロック色の強まったサウンドが印象的に響きます。
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メインストリームの裏側で生まれた音たちが語りかける、もうひとつのゴリラズのストーリー!未発表曲、リミックス、アウトテイク——『Demon Days』の影で密かに育まれたサウンドが、『D-Sides』として今、鮮やかに蘇る

『D-Sides』は、2007年にリリースされたGorillazのBサイド・コレクションであり、2005年の名盤『Demon Days』期に制作された未発表曲やリミックスをまとめた2枚組アルバムです。このアルバムは、Gorillazの実験的かつ多面的な音楽性をより深く知る手がかりであり、ファンにとってはまさに「もう一つのDemon Days」とも言える濃密な作品集です。
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アーリー・ノーヴェンバーが『The Room’s Too Cold』で描いたのは、成長の過程で誰もが通り過ぎる“心の冬”!静と動を往復するメロディが織りなすサウンドスケープは、聴く者の胸の奥を確かに震わせる

2003年、エモとインディーロックが深く交差する時代に登場したThe Early Novemberのデビューアルバム『The Room's Too Cold』は、その情熱的で青さを残したサウンドが、青春の一瞬を切り取るように響き渡る作品です。愛や別れ、不安定な感情といった若者の心の機微を、エモーショナルなボーカルとドラマティックな構成で表現。エモ・リバイバル期を象徴する1枚として、今なお高い評価を受けています。
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アークティック・モンキーズの『AM』は、退廃と官能の深夜ドライブを思わせるサウンドに乗せて、愛、欲望、孤独が交錯する!重厚なリフとビートが耳に残り、低音ヴォーカルが心の奥をえぐる、現代UKロックの金字塔

イギリス・シェフィールド出身のインディーロックバンド、Arctic Monkeysによる5作目のスタジオアルバム『AM』は、2013年にリリースされ、世界中で爆発的な支持を獲得しました。彼らの従来のギターロックに加え、R&Bやヒップホップからの影響を感じさせるこのアルバムは、バンドの音楽的成熟と実験精神を象徴する1枚として評価されています。セクシーで重厚、そして中毒性のあるグルーヴが全編を支配し、新たなArctic Monkeys像を確立しました。