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90年代ドラムンベースの黄金期を彩る至高の芸術!フライトロニクスが1998年に放ったジャズステップのマスターピース『Archive』を今こそ聴くべき

House House/Electronic
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Flytronix/Archive

90年代後半のイギリスで、クラブシーンを熱狂の渦に巻き込んでいたドラム&ベース(D&B)。その中でも、荒々しいビートとジャズの上品なコード感を極限まで融合させた「ジャズステップ(Jazzstep)」の金字塔として語り継がれるのが、Flytronix(フライトロニクス)ことダニー・デミエールが1998年に発表したデビューアルバム『Archive』です。名門レーベル「Moving Shadow」からリリースされた本作は、2年の歳月を費やして彼の音楽的ルーツを凝縮した、まさに「個人の書庫(アーカイブ)」のような深みを持つ傑作。今なお色褪せないその魅力を、ブログ読者の皆様に徹底解剖してお届けします。

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ジャンルと音楽性

本作の核となるジャンルは、「インテリジェント・ドラムンベース」「アトモスフェリック・ドラムンベース」、そして「ジャズステップ」です。激しい高速ブレイクビーツの裏で、美しく浮遊感のあるシンセパッドや、どこか哀愁を帯びた生楽器のジャズ・フィーリングが同居しているのが最大の特徴です。 ダニー・デミエールは、ヒップホップ、ソウル、ジャズへの敬意を、複雑なプログラミングとシームレスに融合させました。ただフロアで踊るためだけのダンスミュージックではなく、部屋でじっくりとヘッドホンで聴き込みたくなるような、極めて高い芸術性とストーリー性を備えたサウンドデザインです。

Flytronix/Archive

おすすめのトラック

  • 「The Rhode Tune」 本作の幕開けを飾る、ジャズステップ史に残る不朽の名曲です。クラブ「Speed」での伝説的な夜に捧げられたこの曲は、耳に残る甘美でメロウなフェンダー・ローズのキーボード・リフが主役。硬質な高速ドラムビートと絡み合う鍵盤のメロディは極めて洗練されており、リスナーを瞬時に煙るような深夜のジャズクラブへと誘います。
  • 「Offshore Drift」 アトモスフェリック・ドラムンベースの極みとも言える、美しく広大な浮遊感を持つトラックです。タイトル通り「沖合を漂う」ような、波のように押し寄せるシンセサイザーのレイヤーと、シャープでありながらどこかオーガニックな質感のビートが心地よい緊張感を演出。ディープなベースラインが体を包み込み、日常を忘れるような没入感を提供してくれます。
  • 「Contemporary Accousticz Jam」 アコースティック楽器の温かみと、エレクトロニック・ミュージックのスピード感が奇跡的なバランスで融合したキラーチューンです。グルーヴィーなウッドベースのラインと、軽快なパーカッション、そして時折差し込まれるサックスのフレーズが、スリリングなジャム・セッションを想起させます。後にAndy CやOrigin Unknownといった大物たちがリミックスを手掛けたことでも知られる、音楽的センスが爆発した一曲です。
  • 「A Rosary for Rhythm」 ジャズ・ポエツ(The Jazz Poets)のRemi & Rogerをフィーチャーした、ヒップホップ的な美学も感じられる知的なトラックです。静謐なポエトリー・リーディングと、艶やかなサックス、そしてジャジーなビートが絶妙な調和を見せています。ドラム&ベースというジャンルがいかに多様で、ブラック・ミュージックの土壌と深く繋がっているかを実感させてくれる、アルバム後半のハイライトです。

アルバム総評

『Archive』は、単なるビートの集合体ではなく、ダニー・デミエールの音楽的記憶を巡る旅のようなアルバムです。随所に散りばめられた声のサンプリングや、各トラックの繋ぎに施された音響効果によって、アルバム全体が一本のシネマティックな物語のように展開していきます。

リリースから4半世紀以上が経った今、このアルバムに針を落とすと、当時の「未来への憧憬」がそのまま真空パックされたような瑞々しさに圧倒されます。クラブミュージックの枠を超えた「リスニング・アート」として、すべてのグッド・ミュージックを愛する人に自信を持っておすすめできる、不屈の名盤です。

🎵The Rhode Tune

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