Pop/Soul/Jazz

ニューヨーク・パンクの旗手Blondieが、ジャンルの垣根を越えて音楽の冒険へ!『Autoamerican』は、時代を超えて愛される独自のサウンドを獲得した必聴の一枚

1980年にリリースされたブロンディの『Autoamerican』は、バンドにとって大きな転換点となるアルバムだ。それまでのニュー・ウェーブやパンクの枠を超え、ジャズ、レゲエ、ディスコ、ラウンジ・ミュージック、シンフォニック・ポップなど、多様なスタイルを取り入れた意欲作である。『Parallel Lines』(1978年)や『Eat to the Beat』(1979年)で確立したキャッチーでポップなサウンドから一歩踏み出し、より実験的でアーティスティックな方向へと舵を切った作品だ。
Rock/Alternative

時代を超えて進化し続けるPrimal Screamが放つ『Come Ahead』は、新たなロックンロールの旅!内省と社会的メッセージが交差する、魂を揺さぶる最新作

プライマル・スクリームの12作目となるアルバム『Come Ahead』は、彼らの長いキャリアにおいて新たな章を刻む作品だ。フロントマンのボビー・ギレスピーの自伝『Tenement Kid』からインスピレーションを得ており、彼の個人的な経験や社会的メッセージが色濃く反映されている。プロデューサーにはデヴィッド・ホルムスを迎え、バンドの持つファンキーでサイケデリックな要素と、伝統的なロックンロールのスタイルを巧みに融合させている。
Rock/Alternative

Blurが90年代の音楽シーンを大胆に塗り替えた、挑戦と革新に満ちたセルフタイトル・アルバム『Blur』。ブリットポップのアイコンからオルタナティブロックの先駆者へ

1997年にリリースされたブラーのセルフタイトル・アルバム『Blur』は、それまでのブリットポップの枠を超え、オルタナティブ・ロックへと踏み出した重要な作品だ。前作『The Great Escape』(1995年)までの洗練されたメロディと皮肉の効いた歌詞とは異なり、このアルバムではより荒削りで実験的なサウンドが展開される。ブリットポップ・ムーブメントが終焉へ向かう中で、Blurが自らの音楽性を大胆に変化させた、まさにターニングポイントとなる作品と言える。
Rock/Alternative

喪失の痛みを乗り越え、音楽で再生するFoo Fightersの『But Here We Are』は魂の叫び。激情と静寂が交差する、最もパーソナルでエモーショナルなロックアルバム

フー・ファイターズの11枚目のスタジオ・アルバム『But Here We Are』は、バンドにとって極めて個人的かつ感情的な作品となった。2022年、長年のドラマーでありバンドの要でもあったテイラー・ホーキンスを突然失った彼らは、その喪失と向き合いながら音楽を作り続けた。本作は、そんな彼らの悲しみ、怒り、そして前へ進もうとする決意が詰まった一枚だ。
Pop/Soul/Jazz

ニュー・ウェーブとヒップホップを融合させた革新的なデビュー作『Einzelhaft』。Falcoが放つ鋭いリリックとクールなビートが、80年代の都会の夜を彩る

オーストリア出身のアーティスト、ファルコ(Falco)が1982年に発表したデビューアルバム『Einzelhaft』は、ニュー・ウェーブとエレクトロ・ポップ、さらにはヒップホップの要素を融合させた先駆的な作品だ。このアルバムは、のちに世界的な大ヒットとなる「Rock Me Amadeus」を生み出したファルコの音楽的ルーツを知るうえで欠かせない一枚であり、彼の独自性と鋭い感性が詰まっている。
Rock/Alternative

煌びやかなグラムロックの美学と、卓越したギターワークが織りなすBe-Bop Deluxeのデビュー作『Axe Victim』。70年代のグラムロック・シーンに新たな風を吹き込んだ、洗練されたロックの魅力を堪能せよ

ビー・バップ・デラックスの1974年のデビューアルバム『Axe Victim』は、グラムロックの煌びやかさとプログレッシブ・ロックの技巧を融合させた独創的な作品です。バンドの中心人物であるビル・ネルソン(Bill Nelson)は、ギタリスト、ソングライター、ボーカリストとして圧倒的な才能を発揮し、このアルバムを単なるグラム・ロックの一枚に終わらせず、後の作品に繋がる豊かな音楽性の土台を築きました。
Rock/Alternative

狂騒と陶酔、破壊的なグルーヴが交錯する、マッドチェスターの幕開けを告げた混沌の名盤『Bummed』。Happy Mondaysが生み出すカオティックでありながらも中毒性の高いサウンドが、時代の空気を閉じ込めたように響く

1988年にリリースされたハッピー・マンデーズのセカンド・アルバム『Bummed』は、後のマッドチェスター・ムーブメントを決定づける重要な作品として知られる。ポストパンク、アシッドハウス、ファンク、サイケデリアを融合させた独特のサウンドが特徴で、カオスとエネルギーに満ちた作品だ。プロデューサーに元John Cale(The Velvet Underground)を迎え、バンドのアグレッシブでラフな音像をさらに歪ませ、トリップ感のあるグルーヴを生み出している。
Rock/Alternative

鋭い皮肉と文学的な歌詞、緻密に計算されたメロディが融合した、Harvey Dangerの『King James Version』は、ポストグランジの荒々しさとインディーロックの洗練が共存する、深みのあるサウンドスケープが魅力

1997年に「Flagpole Sitta」のヒットで知られるようになったハーヴィー・デンジャーが、2000年に発表したセカンドアルバムが『King James Version』です。デビュー作『Where Have All the Merrymakers Gone?』に比べると、サウンドの幅が広がり、より緻密なアレンジと文学的な歌詞が際立つ作品となっています。キャッチーなメロディに知的な皮肉を織り交ぜた楽曲が並び、単なる90年代オルタナの一発屋ではないことを証明したアルバムと言えるでしょう。
Rock/Alternative

スカ、ポップ、ニューウェーブのエネルギーが弾けるNo Doubtの原点『No Doubt』。躍動感あふれる演奏が、カリフォルニアの陽気な空気を詰め込んだデビュー作

1992年にリリースされたノー・ダウトのデビューアルバム『No Doubt』は、後の大ヒット作『Tragic Kingdom』とは異なる、より純粋なスカ・ポップサウンドに満ちた作品だ。ギターのカッティング、ブラスの響き、グウェン・ステファニーのエネルギッシュなボーカルが絡み合い、80年代後半のカリフォルニアのスカシーンを色濃く反映している。このアルバムは商業的な成功を収めることはなかったが、バンドの音楽的なルーツや個性を知る上で非常に重要な作品だ。
Pop/Soul/Jazz

Noah Kahanが描く、故郷への愛、過ぎ去った時間、そして未来への期待が交錯する感動のアルバム『Stick Season (We’ll All Be Here Forever)』。心に深く染み渡るフォーク・アンセムの集大成

アメリカ・バーモント州出身のシンガーソングライター、ノア・カーンが2023年にリリースした『Stick Season (We’ll All Be Here Forever)』は、彼のキャリアを決定づける作品と言えるだろう。2022年にリリースされたオリジナルアルバム『Stick Season』にボーナストラックや新曲を加えたデラックスエディションであり、ノア・カーハンの魅力を余すところなく詰め込んだ一枚となっている。