Rockabilly/Psychobilly

バナーンメタリックの『Requiem de la dépravation』は、退廃的な美学と凶暴なパンク・エネルギーが交差する、これが「Gore’n’Roll(ゴア・ン・ロール)」の原点!墓場から響くようなスラップベース、シニカルなフランス語の叫び、そしてホラー映画の悪夢

1994年にリリースされたBanane Metalikのファースト・フルアルバム『Requiem de la dépravation(退廃のレクイエム)』は、彼らが提唱するジャンル「Gore’n’Roll(ゴア・ン・ロール)」の誕生を告げる記念碑的な作品です。フランスのサイコビリー/ホラーパンクシーンから現れたこのバンドは、その後の過激で血生臭いステージパフォーマンスと、ホラー映画からインスパイアされた退廃的なサウンドの雛形を本作で確立しました。タイトな演奏と、フランス語の響きが持つ独特のシニカルなムードが、アルバム全体に不気味で背徳的な雰囲気をまとわせています。本作は、Banane Metalikのキャリアにおいて、彼らのアイデンティティを決定づけた「ホラーとロックンロールの融合」の原点であり、国際的なカルト的人気を獲得する基盤となりました。
Rockabilly/Psychobilly

ウッドベースのスラップは情熱的な暴力、ギターリフは切れ味鋭い純粋な衝動! デューズ・ワイルドの『Brutal Purity』は、80’sネオ・ロカビリーの熱狂と、ブルースの深みが野獣のように融合した、アグレッシブにしてメロディックな傑作

イギリスのネオ・ロカビリー・シーンから登場したDeuces Wildが、1989年にリリースしたアルバム『Brutal Purity』は、当時のネオ・ロカビリー・ムーブメントの熱狂を見事に捉えた一枚です。アルバム名は「ブルータル(残忍な、荒々しい)な純粋さ」を意味し、その名の通り、オールドスクール・ロカビリーへの純粋な愛情と、それを80年代のパンク・エッセンスで再構築した荒々しいエネルギーが同居しています。Stray CatsやRestlessといった先行バンドの影響を受けつつも、ブルースやジャズの要素を巧みに取り入れ、単なるフォロワーではない独自の音楽的深みを提示しました。タイトなリズムと切れ味鋭いギターが特徴のこのアルバムは、80年代ネオ・ロカビリーを語る上で欠かせない傑作の一つとして評価されています。
Rockabilly/Psychobilly

ロカビリーが銀河を疾走するゴーストストーリーズの『Planet Probe』!サイコビリーの狂気とスペースサウンドの幻想が交錯する、“宇宙怪談的ロックンロール”の決定盤!重力も常識も振り切って、あなたを星間のダンスフロアへと誘う音のワープ航路

The Ghost Storysの『Planet Probe』は、サイコビリーとスペースロカビリーの要素を見事に融合させた異色の作品だ。銀河を駆け抜けるようなスピード感と、ゴーストのように漂う不穏なメロディが交錯し、リスナーを“宇宙と狂気のはざま”へと連れ出す。ロカビリーのスラップベースに、サーフギターのエコー、そしてサイケデリックなシンセが重なり合う音像は、まさに異世界のジャムセッション。The Ghost Storysが描くのは、ロックンロールが宇宙を旅する壮大なSFサウンドトラックだ。
Punk/SkaPunk/Garage

ブッシュ・テトラスの『Rhythm and Paranoia: The Best of Bush Tetras』は、ポストパンク黎明期、都会の雑踏と不穏なリズムを融合させた彼女たちは、誰よりも先に“リズムで怒りを表現する”術を知っていた

Bush Tetras『Rhythm and Paranoia: The Best of Bush Tetras』は、1980年代初頭のNYポストパンク・シーンにおいて独自の存在感を放ったバンドの軌跡を総括するベストアルバムだ。彼女たちが築いたのは、アングラでアートな匂いを纏いつつも、肉体的なグルーヴと挑発的なリズムを併せ持つサウンド。そのすべてをここに凝縮した本作は、ポストパンク、ノーウェーブ、そして初期オルタナティブの橋渡し的作品としても重要な位置を占めている。リマスターによる生々しい音像と、当時の焦燥と熱気をそのまま封じ込めたような衝動が共存する、まさに“リズムと偏執狂”の名を冠するにふさわしい一枚だ。
Punk/SkaPunk/Garage

シカゴ・スカパンクの魂を燃やし尽くした一瞬の煌めきが、90年代の息吹とともに今も鳴り止まないスラップスティックの『Slapstick』!若さの痛みと希望、汗と涙が混じり合うサウンドは、聴くたびに心を熱くする

90年代シカゴ・スカパンクの伝説的存在、Slapstick(スラップスティック)。彼らのセルフタイトル作『Slapstick』(1997)は、活動期間わずか数年という短命ながらも、後のアメリカン・スカ/パンクシーンに計り知れない影響を与えた重要作品だ。メンバーの多くが後にAlkaline TrioやThe Lawrence Armsなどの人気バンドで活躍することからも、その才能の濃縮ぶりが分かる。疾走感、哀愁、そして若さゆえの衝動がひとつの塊となって炸裂する本作は、青春の痛みと希望をスカのビートに乗せて駆け抜ける、まさに90年代パンクの青春アルバムだ。
Rockabilly/Psychobilly

ロカッツの『Make That Move』は、50年代のロカビリー魂が80年代のナイトクラブで再点火!都会の夜を疾走するネオ・ロカビリーの金字塔!古き良きロックンロールにパンクのスピードをブレンドした、永遠に踊り続けたくなる一枚

1980年代初頭のネオロカビリー・ムーブメントを牽引したThe Rockatsが放つ『Make That Move』は、都会の夜を疾走するロカビリーの新時代を告げた傑作だ。クラシカルなロカビリーのスピリットをそのままに、パンクやニューウェーブのスピード感とスタイリッシュなアティチュードを融合。50年代への憧憬と80年代の革新が交差するこのアルバムは、単なる懐古ではなく、ロックンロールの進化形を提示した作品と言える。煌びやかで、野性的で、どこか切ない――The Rockatsが放つビートは、まるで夜明け前のダンスフロアに鳴り響く恋の衝動のようだ。
Punk/SkaPunk/Garage

労働者階級の叫びが、時代を超えて再び鳴り響く!メナスの『G.L.C. The Original Masters (1977–1980)』は、パンクがまだ危険で、リアルで、そして誇り高かった時代の鼓動を閉じ込めた伝説の記録

1977年から1980年というUKパンク黎明期の空気をそのまま封じ込めた、Menaceの『G.L.C. The Original Masters』は、ロンドンの裏通りで鳴り響いた怒りと誇りの記録だ。Oi!パンクの原型を形作ったとされるこのバンドは、労働者階級のリアルな感情をストレートにぶつける歌詞と、シンプルだが骨太なサウンドで知られる。本作は、彼らの初期音源を網羅したまさに「原点回帰」とも言うべきコンピレーションであり、当時の熱量をそのまま体感できる一枚となっている。
Reggae/Ska

ダブ・ピストルズの『King Size Dub Special: Illbilly Hitec (Overdubbed by Dub Pistols)』は、深く唸るベースと煙るリズムが、過去と現在を結ぶ音の航海へと誘う!これは、国境もジャンルも越えた“グローバル・グルーヴ”の最前線だ

Dub Pistolsによる『King Size Dub Special: Illbilly Hitec (Overdubbed by Dub Pistols)』は、ジャーマン・ダブユニット Illbilly Hitec のトラックを、UKのダブ/ブレイクビーツ集団 Dub Pistols が大胆に再構築したスペシャル・リミックス・アルバムである。ジャマイカ発祥のルーツ・サウンドをベースに、ブリストルのトリップホップやロンドンのクラブ・カルチャーを融合させた、まさに“21世紀型ダブの再定義”とも言える作品だ。重低音のグルーヴと未来的なエレクトロ・プロダクションが交錯するサウンドは、スモーキーでありながらもエネルギッシュ。クラブでもフェスでも映える万能な一枚に仕上がっている。
Rockabilly/Psychobilly

『Kicked Outta Purgatory… Psychobilly』は、狂気・ロカビリー・パンクが渦を巻く、魂の暴走列車!燃えるスラップベースと悪魔の笑い声が交錯するこのコンピレーションアルバムは、天国でも地獄でもない“煉獄のダンスホール”から放たれた、究極のサイコビリー・アンセム集だ

『Kicked Outta Purgatory... Psychobilly』は、2000年代初頭のサイコビリー・シーンを俯瞰する上で極めて重要なコンピレーション・アルバムです。このタイトル(「煉獄から蹴り出された...サイコビリー」)が示す通り、メインストリームから外れた場所で熱狂するサイコビリーの「罪人たち」のエネルギーを一同に集めた一枚です。Nekromantix、Demented Are Go、HorrorPopsといったジャンルのトップランナーから、当時頭角を現し始めた新鋭まで、世界中のバンドが参加しており、その総数は29トラックにも及びます。荒々しいウッドベースのスラップ音、ホラー・SF・アウトローな世界観、そしてパンクの衝動が炸裂する本作は、サイコビリーというジャンルの多様性と爆発力を体感するための最高のガイドブックと言えるでしょう。
Rockabilly/Psychobilly

英国サイコビリー黎明期を駆け抜けたステージフライトが送る「Island of Lost Souls」!80年代サイコビリーのワイルドで生々しい衝動をそのまま真空パックした、全てのホラー・ロッカーに捧げる絶対的名盤

英国サイコビリー・シーンの黎明期から活動する伝説的バンド、Stage Friteが放った名盤『Island of Lost Souls』は、80年代後半のシーンの熱気とロウなエネルギーを真空パックしたかのような、荒々しくもキャッチーな魅力に満ちた一枚だ。タイトルが示す通り、「失われた魂の島」をテーマに、B級ホラー映画のような世界観と、性急なビートが融合。彼らのサウンドは、初期サイコビリーが持つ危険な香り、パンクの衝動、そしてロカビリーの根源的な楽しさを見事に体現しており、ジャンルの歴史を語る上で欠かすことのできない重要な作品として、今なお多くのファンに愛され続けている。