Heavy metal/Hard Rock

70年代ハードロックの金字塔、キッスの『Destroyer』は、爆走するギター、悪魔の低音、そして涙腺を刺激するバラードまで、すべてが劇的に響き渡る、名実ともに”破壊”的な名作だ

1976年、アメリカのロックバンドKissがリリースした4作目のスタジオアルバム『Destroyer』は、彼らのキャリアを決定づける一枚として語り継がれている。派手なメイクと火を吹くステージ演出で知られる彼らだが、本作ではプロデューサーに名匠ボブ・エズリンを迎え、より構築的でドラマティックな音作りに挑戦。ハードロックの枠を超えて、シアトリカルな演出とメロディの美しさが融合した傑作となっている。
Pop/Soul/Jazz

カーディガンズの『First Band on the Moon』は、ポップの皮をかぶった内省的なラブレター!儚くも中毒的なそのサウンドは、90年代のインディーポップに小さな革命を起こした

1996年にリリースされたThe Cardigansのサードアルバム『First Band on the Moon』は、スウェーデンのバンドが国際的なブレイクを果たすきっかけとなった重要作。代表曲「Lovefool」が世界中でヒットし、バンドの存在は一気に広く知られるようになった。だがこのアルバムの魅力は、ただのラブソング集ではない。甘美なメロディの裏にひそむシニカルな視点と、ポップとロックの境界を曖昧にする実験性こそが、本作を今なお色褪せない作品にしている。
Pop/Soul/Jazz

オリビア・ニュートン・ジョンの『Don’t Stop Believin’』は、心の奥にそっと語りかけるバラードから、陽だまりのようなポップ・チューンまで、優しさと強さを兼ね備えた彼女の歌声が、あなたの“信じる心”をもう一度呼び覚ます

1976年にリリースされたOlivia Newton-Johnの『Don't Stop Believin'』は、彼女の音楽的変遷の中でも重要なターニングポイントとなる作品である。清らかなカントリーポップ路線に軸足を置きつつも、ポップス、ソフトロック、アコースティックといった幅広い音楽要素を内包し、Oliviaのボーカルの透明感と情感がより深く際立つアルバムに仕上がっている。時代を超えて響く彼女の歌声が、今なおリスナーの心に優しく届く名作である。
Punk/SkaPunk/Garage

オール・タイム・ロウが描く、傷だらけで最高な“何でもない日々”の記憶! 『Nothing Personal (Deluxe)』で蘇る、リマスター音源と新たな息吹をまとい、青春の痛みと解放が今ここに鳴り響く

2009年にリリースされたAll Time Lowの『Nothing Personal』は、ポップパンク界の金字塔ともいえる作品です。キャッチーなメロディとシニカルなリリック、若さゆえの衝動が詰まったサウンドは、当時の10代・20代の心を掴んで離しませんでした。そしてこの『Nothing Personal (Deluxe)』は、オリジナルに加えて未発表トラックやアコースティックバージョン、再録音などを収録したファン必携の決定版。あの頃の感情を鮮やかにフラッシュバックさせる1枚です。
House/Electronic

80年代ニューウェイヴのただ中で誕生した、シンセポップという枠を越えたアートロックとしての到達点!オーケストラル・マヌーヴァーズ・イン・ザ・ダークの『Architecture & Morality』は、静謐でありながら心の奥底を揺さぶる“建築された感情”の結晶だ

1981年にリリースされたOrchestral Manoeuvres in the Dark(OMD)の3rdアルバム『Architecture & Morality』は、シンセポップというジャンルの枠を越え、芸術的実験性とポップ・センスを両立させた、彼らの代表作とも言える名盤だ。教会音楽のような神聖さと、冷ややかな電子音が絶妙に混ざり合い、80年代のニュー・ウェイヴシーンにおいて異彩を放ったアルバムである。
Rock/Alternative

エイウォルネイションが『The Phantom Five』で描き出すのは、希望と絶望の狭間を彷徨う“ファントムたち”の物語。エレクトロとロックが融合した緊張感あふれるトラック群は、リスナーをどこまでも高揚させる

異端と情熱の電撃融合。AWOLNATIONが2024年にリリースした『The Phantom Five』は、バンドのアイデンティティとも言えるエレクトロ・ロックの核を保ちつつ、よりシネマティックでダークな世界観に深化した最新作だ。ポストパンキッシュなエネルギーとダンスビートの高揚感がせめぎ合うこの作品は、まさに幻影のように姿を変えながら聴き手を翻弄し、魅了する。
Pop/Soul/Jazz

ヴァンス・ジョイが『In Our Own Sweet Time』で紡ぎ出すのは、時間や距離に縛られない“ふたりだけの物語”。アコースティックなぬくもりと繊細な言葉が、あなたの日常にそっと寄り添う

オーストラリアのシンガーソングライター、Vance Joy(ヴァンス・ジョイ)が2022年にリリースした『In Our Own Sweet Time』は、パンデミックによって変わりゆく日常の中で、「愛」や「つながり」がいかに人を支えるかを優しく描いた作品です。3作目となるこのアルバムは、どこか懐かしく、同時に現代的なポップ・フォークのサウンドを通して、温もりと希望を丁寧に編み上げています。
House/Electronic

イエローの『Stella』は、スイスの電子音楽デュオが放つ、冷たくも艶やかなサウンドの洪水!機械仕掛けのビートと官能的なボーカルが織りなす、80年代エレクトロ・ポップの最前線を更新したアルバム

スイス出身の電子音楽デュオ、Yello(イエロー)が1985年にリリースした4枚目のアルバム『Stella』は、彼らにとって大きな転機となった作品だ。初めて世界的な成功を収めたこのアルバムは、エレクトロニカの斬新な可能性を提示しながらも、どこかポップで親しみやすい仕上がり。奇抜なサウンドと洗練されたプロダクションが融合した本作は、今なお80年代電子音楽の代表格として高く評価されている。
Pop/Soul/Jazz

グルーヴと魂が交差する、時代を超えるファンクの宇宙!アース・ウィンド・アンド・ファイアーの『Raise!』は、ディスコの余韻をまといながら、煌びやかで力強いサウンドの旅路

1981年にリリースされたEarth, Wind & Fireのアルバム『Raise!』は、バンドの黄金期を彩る名作のひとつ。ディスコブームが下火になりつつあった時代に、ソウル、ファンク、R&Bを融合させた洗練されたサウンドで、音楽シーンに確かな存在感を放った。モーリス・ホワイト率いるバンドのクリエイティブなエネルギーと、壮大なサウンドスケープが詰まった一枚だ。
Pop/Soul/Jazz

ザカリー・ノウルズの『tendency to be a loner』は、 孤独という静かな居場所で、自分と向き合いながら見つける”やさしい音の灯火”。寂しさを否定せず、言葉にならない心のざわめきをそっと抱きしめる、夜のためのポップソウル

Zachary Knowlesの『tendency to be a loner』は、静かに心を打つエモーショナルなアルバムだ。孤独、自己内省、そして繊細な心の揺れをテーマに、ミニマルでメロウなサウンドが展開される本作は、現代のBedroom PopとLo-fi R&Bを美しく融合させた作品に仕上がっている。誰かに話すほどでもない孤独や思いを、そっとすくい上げてくれるような優しいトーンが全編に漂う。