Rockabilly/Psychobilly

狂気とロカビリーが出会ったとき、サイコビリーの伝説が始まった――マッド・シンの原点『Amphigory』は、荒削りな衝動とホラー美学が火花を散らす、反骨と熱狂のロックンロール黙示録!

ドイツ発のサイコビリー巨人、Mad Sinの初期衝動がそのままパッケージングされた1988年作『Amphigory』は、アンダーグラウンドの火種として今も多くのファンに語り継がれる怪作だ。粗削りながらもエネルギッシュなパフォーマンス、パンクの攻撃性とロカビリーの弾むようなビートを融合させたスタイルは、サイコビリーというジャンルの自由さと混沌を象徴している。
Punk/SkaPunk/Garage

70年代のパンク魂が現代に蘇る。M.U.T.T.の『Bad to the Bone』は、グラムロックの妖しさとガレージパンクの荒々しさを詰め込んだ、骨の髄までロックンロールな一枚!

鋭利なギター、爆発的なエネルギー、そして反骨精神に満ちた歌詞で聴く者を挑発するサンフランシスコ発のパンクバンド、M.U.T.T.。2022年にリリースされたフルアルバム『Bad to the Bone』は、70年代末のロウで荒々しいパンク・ロックの精神を21世紀に甦らせた一枚だ。グラマラスなロックンロールとガレージ・パンクの間を駆け抜けるようなスピード感と、どこか退廃的でキャッチーな旋律が交錯するこのアルバムは、ノスタルジックでありながらも鮮烈に現代的。まさに「骨の髄まで悪い」、そのタイトルに偽りなしのロックンロール・カタルシスである。
Rockabilly/Psychobilly

ロング・トール・テキサンズが放つ『Headless』は、サイコビリーの型をぶち壊しながら、ユーモアとスピードとパンキッシュな美学を詰め込んだ、まさに“音のアミューズメントパーク”。不条理でキャッチーな世界観に巻き込まれていく!

長年にわたりUKサイコビリー/ネオロカ・シーンの異端児として名を馳せてきたThe Long Tall Texans(ロング・トール・テキサンズ)。その中でも2017年にリリースされた『Headless』は、彼らの勢いと実験性が程よく融合した快作である。本作は、彼らの真骨頂ともいえるコミカルさとワイルドな演奏力、そして不気味な世界観が一体となった、聴き応え満点のアルバムだ。
Punk/SkaPunk/Garage

暴力的で誤解されがちな表層の奥にこそ宿る、リアルで純粋なストリートの真実!ザ・ラストリゾートが1982年に遺した『A Way of Life: Skinhead Anthems』は、スキンヘッド=反抗という図式を超え、社会の底辺で生き抜く者たちの“存在証明”となった

1982年にリリースされたThe Last Resortの『A Way of Life: Skinhead Anthems』は、Oi!パンクというジャンルを象徴するアルバムとして、今もなお多くのストリート・ミュージック愛好家に支持され続けている。この作品は、単なる音楽の枠を超え、当時のイギリス社会における若者たちの怒り、葛藤、そしてアイデンティティの象徴でもある。暴力的でありながら誠実。粗野であるがゆえにリアル。それがこのアルバムの最大の魅力である。
Pop/Soul/Jazz

MUNAのフロントウーマン、ケイティ・ギャビンが放つ初のソロアルバム『What A Relief』は、ポップミュージックが美しくて、革新的でいられることを証明する、2020年代の新たな傑作

Katie Gavin――MUNAのフロントウーマンとして知られる彼女が、自身の感性をさらに深く掘り下げたソロ・デビュー作『What A Relief』。このアルバムは、パーソナルな苦悩と解放のプロセスを、繊細でありながらも芯のあるサウンドに託して描かれている。ミニマルで実験的なアプローチと、Katie独自のポップネスが絶妙に混ざり合い、聴き手の感情をじわじわと揺さぶる一枚だ。
Rock/Alternative

ジャクソン・ブラウンが『Lawyers in Love』で描き出すのは、風刺と哀愁に満ちたサウンドスケープ。社会的メッセージとメロディの美しさが絶妙に絡み合い、聴く者を静かに揺さぶるロック・アルバムの真髄

1983年にリリースされたJackson Browneの7作目のスタジオアルバム『Lawyers in Love』は、彼のキャリアの中でも転機となる一枚です。70年代の内省的でフォーク・ロック的な作風から、より政治的かつ風刺的な視点を取り入れた作品へとシフト。このアルバムでは、アメリカの社会状況や冷戦下の空気を軽妙なユーモアで包みながらも、深いメッセージを込めたリリックと、ポップ・ロック色の強まったサウンドが印象的に響きます。
Pop/Soul/Jazz

アイダーが紡ぐ『Late to the World』は、エレクトロニカとドリームポップの余白に宿る、ふたりの声が描くのは、世界に追いつくのではなく、自分自身に追いついていくための旅の記録

UKの女性デュオIDERによる2023年リリースのアルバム『Late to the World』は、前作『Emotional Education』からの進化を感じさせる、内省的かつ情感豊かな一枚。コロナ禍を経て制作されたこのアルバムは、孤独、自己再生、そして希望をテーマに据えながら、IDERらしい繊細なハーモニーと洗練されたエレクトロ・ポップのサウンドで彩られている。現代的なポップの中に隠された強いメッセージと感情の波が、聴く者の心に静かに刺さってくる。
Pop/Soul/Jazz

ハーフ・アライブの『Conditions Of A Punk』は、”パンク”とは心の状態だと静かに訴えるこのアルバムは、私たちが誰かを愛すること、傷つくこと、そして再び立ち上がることの意味を、ビートと旋律で語りかけてくる

カリフォルニア出身のインディー・ポップバンド、half•aliveが2022年にリリースした2ndアルバム『Conditions Of A Punk』は、前作から大きな進化を遂げた意欲作だ。21曲というボリュームながら、アルバム全体が一つの物語のように構成されており、リスナーを感情の起伏に富んだ旅へと誘う。テーマは“愛と喪失”、そして“自己受容”。ポップ、ロック、R&B、エレクトロなど多彩なジャンルを行き来しながら、詩的なリリックと洗練されたサウンドで独自の世界を築き上げている。
Rockabilly/Psychobilly

グアナバッツの『Best of the Guana Batz』は、サイコビリー黎明期からシーンの最前線を駆け抜けた彼らの軌跡を濃縮した決定盤!ロンドンのストリートが生んだ熱狂を、今ふたたび!

1980年代初頭のUKサイコビリームーブメントを語るうえで欠かせない存在、それがGuana Batz。彼らの名曲を一挙に詰め込んだコンピレーション・アルバム『Best of the Guana Batz』は、荒々しさとキャッチーさを併せ持つサイコビリーの真髄を詰め込んだ決定盤だ。本作は、バンドの代表的なトラックを一望できるのみならず、ジャンルの魅力を凝縮したようなサウンドで、初めて聴く人にもベストな入口となる。
Punk/SkaPunk/Garage

グリーン・デイの『Dookie』は、90年代のフラストレーション、若さゆえの衝動、そしてどうしようもない孤独や混乱を、すべて3コードに詰め込んだリアルな青春の記録

アメリカ西海岸のパンク・シーンから飛び出し、世界中の若者たちの心を一気に掴んだGreen Day。1994年にリリースされたメジャー初のフルアルバム『Dookie』は、彼らの代名詞とも言える疾走感と等身大の怒り、そしてポップなメロディを融合させた歴史的名作です。商業的成功とパンク精神の両立を体現し、90年代以降のパンク・ロックに与えた影響は計り知れません。